2015/02/24up!
『経営の合理化』『資本政策の変更』『グローバル展開』の実現のために、イノベーションを起こせる人材
市場の変化
続く求人数の増加傾向。先を冷静に見る必要も。
アベノミクスやオリンピック開催、リーマンショック後に起きた各企業の採用控えの反動などの複合的な要因によって求人件数は増加傾向にあります。特にヘルスケアやIT業界は活況で、転職市場にも多くの求人が出てきているのを目にしているのではないでしょうか。
しかし、最近で言えばリーマンショック、それ以前にもバブル崩壊、アンダーセンや国内大手銀行の倒産など、大きな経済破綻が数年に一度発生しています。
今後の日本経済の動向は、アベノミクスの3本目の矢である『民間投資を喚起する成長戦略』の実行プランの可否にかかっています。目の前の市場だけを見るだけではなく、将来何が起きるのかを自分の頭で考え、不況時に陥った時に生き残れるような市場はどこかということを冷静に見ていくことが必要なタイミングだと言えるでしょう。
求人ニーズ
次の成長ステージに向けて、新しい価値を生み出せる存在。
成長業界だけではなく、『経営の合理化』『資本政策の変更』『グローバル展開』というキーワードに関する採用ニーズはどの業種においても存在します。企業規模や業種に関わらず、様々な企業が既存事業の底上げや新規事業など、次のステージに向けて手を打つ必要に迫られているのです。
そのために欠かせないのが、新しい価値・成果を出せる経営のプロや経営候補者となり得るポジション。
以前は同業界への転職が主流でしたが、現在では同業他社の人材は敬遠される傾向にあります。同業界で経験を積んでいる人材であれば、社内にも数多くいるからです。それよりも新規で別事業を立ち上げる、海外展開を加速させるなど、企業が進もうとしている分野での成功体験を持っている人を採用した方が、新しい価値が生まれる可能性は高くなります。
コンサルティングファーム出身者を採用したいという企業が求めているのは、様々なプロジェクトに関わる中で得た経営モデルや経営課題解決に関する知識や経験です。それらを活かし、イノベーションを起こすことが期待されているのです。
グローバルな経営に関わる、イノベーションや再生をリードするポジションは売上げ1億円程度のベンチャー企業から数千億円規模の大手企業まで数多くの需要があります。最近では首都圏の企業だけではなく、地方にある100年以上続くような老舗企業でも外部から幹部人材を採用するケースが増えてきました。
自分の専門分野だけに限定せずに少し視点を変えて求人を探すことで、自分の経験や専門分野の知識を活かせる求人が見つかる可能性は高いでしょう。
求められる人物像
既成概念にとらわれず柔軟にその知識や経験を活かせる応用力。
様々な企業の経営モデル・課題解決手法を知っているということは大前提ですが、既成概念にとらわれず柔軟にその知識や経験を応用出来ることが大切です。
コンサルタントとして経営に関するプロジェクトに携わることと、実際に企業で経営企画・事業企画に関わることは全く異なります。経営課題の解決に正しい解というものは存在しないため、Aという会社で成功したことがBという会社で通用するとは限りません。課題を的確に見極めた上で、過去の成功パターンにこだわらずに引き出しをたくさん持っている人が、活躍出来るタイプと言えるでしょう。
また、コミュニケーションを取りながら他部門を巻き込んでいくことも非常に重要です。
コンサルティングファームから企業に転職をすることで、周囲にいる人達のタイプもがらりと変わります。知識を持っているだけではなく、その企業のカルチャーや共通言語を理解した上で、経営陣を始めとした他部門も巻き込みながら事業を展開していく力が求められるのです。
求職者へのアドバイス
5年後~10年後を見据えた、多様化するキャリアへの対策。
ここ20年の間に、キャリアの多様化がますます進んでいます。以前はある程度キャリアのパターンというものがありましたが、現在は企業のニーズも変化しているため、そのようなものは通用しません。
そのため、10年先に何が起こるか、どのようなニーズが生まれるかということを自分の頭で考え、自分自身も5年後、10年後にどこで何をしたいかを常に考えておくことが必要です。そうすることで、今どのようなプロジェクトに関わるべきか、どんな知識を身につけておくべきかを整理することが可能になるからです。事業会社への転職を考えているのであれば、今いるファームで漫然と仕事をするのではなく、将来のためになるべく早くからきちんと考える癖をつけることをお勧めします。
その際に注意が必要なのは、自分が持っているスキルや経験をベースに考えすぎないことです。
現職でも日本経済の動向や経営改善のポイントは分かっているはずですが、定石や過去の常識にとらわれすぎると視野が狭くなってしまい、チャンスを逃してしまいます。
ポジションや企業規模・業種、勤務地などの諸条件にこだわりすぎるのではなく、自分自身のキャリアプランを実現出来るフィールドはどこなのかということを様々な視点から見てみると良いでしょう。