2014/03/20up!
外資系企業の経営層に求められる複合スキル
市場の変化
コスト・人員削減の流れを受け、アジア拠点を統括する動き
大手外資系企業の中では、アジア全体の地域本社やバックオフィスを一箇所にまとめる動きが出てきています。日本市場での競争激化やリーマン・ショックを受け、コストをより重視する傾向に。その流れを受け、経営企画部門も、香港やシンガポールなどへ統括される動きが見られます。
東日本大震災以降、日本市場に新規参入する動きは減少傾向にありますが、エネルギー関連分野においては異なる動きを見せています。その中でも目立つのは、新エネルギー関連事業を一手に担う大手企業だけでなく、パーツ生産や関連技術に特化した企業およびコンサルティングを行う企業など、比較的に中小なプレイヤーの参入。この傾向は継続しており、最近でも新しい技術を持って日本に参入する企業があります。
求人ニーズ
経営力、交渉力、技術力の全てが要求される
グローバル化の進展により競争が激しくなる中、経営力だけでなく、複合的なスキルが求められる傾向にあります。
求められるスキルの一つは交渉力。英語力はもちろん、本社や他の海外グループ会社を相手に日本の立場を強く主張することも必要なため、外国人との交渉に慣れていないと難しいでしょう。物事に関してはっきりと答えることができる、議論ができることが重要になります。
また、技術力で勝負するような企業では、技術に関する知識やスキルが経営者にも求められます。実際、大学で機械工学や電子工学を勉強していた方なども少なくありません。そうしたバックグラウンドを持っていなくても、学習を重ねて知識をつけるなど、経営者自身の技術に関する理解が求められます。
重要なのは、上記スキルのうち一つだけでなく、その全てを満たしていること。英語力・交渉力に長けているが技術に関しては理解がない、技術の知識は抱負だが英語力は皆無、という方では不十分で、経営力・交渉力・技術力の全てが要求されるポジションだと言えます。
外資系企業では、日系企業よりも収益力に関する意識が重視される傾向にあります。もちろん、日系企業でも収益は求められますが、どちらかと言うと根回しや人間関係を重視したマネジメントスタイルが主流。外資系企業では、収益が1年、2年で改善しないと解雇されるようなケースも十分考えられるため、経営者はより収益性の観点を重視すべきだと言えます。
その上で、外資系企業で特に重視されるのは、「変化に対応できる」こと。日本に参入してまだ10年というような会社も少なくないため、長く日本でビジネスを展開している日系企業に比べてビジネスが安定していないという面があり、市場の変化に対応出来る人材を求める傾向は日系企業よりも明確です。そのため、変化に対して柔軟に対応出来るという狙いで、外資系企業が希望する経営層人材の年齢層は日系企業よりも5歳~10歳ほど若い傾向にあります。
まず、「外資系企業の経営層への転職」というチャレンジが、本当に自分に合っているかを確認することが大切です。先述のとおり、外資系企業では2年、3年間実績が出なければ解雇される可能性も。また、外資系企業は特定のポジション、特定のプロジェクトのために人を雇うという考え方のため、会社の状況やマーケットの状況が変われば、その人の必要性も少なくなることがあります。そのため、安定性を求めている方は必ずしも外資系企業にはフィットしないでしょう。
会社やマーケットの状況が変化しても成果を上げ続けられるよう、スキルアップに取り組む習慣は必須と言えます。職務経歴書の内容から、スキルアップへの姿勢が明確に伝わるような方は、評価を受けやすいでしょう。
スキルとして求められるのは、機能的にわけて「技術力」と「経営力」の二つです。そのどちらも満たすことが必要なので、もともと技術系の出身の方は会計やコントローリングスキルの学習、経営が専門の方は技術関係の勉強に取り組むことが重要になります。