2014/09/26up!
資本市場の発展とインターネットの普及・浸透に伴い、ニーズが高まる日系企業の内部監査職
市場の変化
金融業界をはじめ、内部監査職の需要が増加傾向に
⼤企業の不祥事が取沙汰されることが増え、最もコンプライアンスを重視すべき⾦融機関(銀⾏、⽣損保、
証券、その他⾦融)も例に漏れない状況のため、⾦融庁の検査や日銀検査が厳格化しつつあります。不祥事
多発化の主な要因としては、真剣に業務へ取り組むあまり個人情報を社外へ持ち出した結果、どこかで紛
失・漏洩してしまったケースや、外注先での情報管理が⾏き届いておらず、漏洩されてしまうケースなどが
挙げられます。
そこで、将来のリスクも考え、⾦融業界をはじめとした各業界の日系企業で、内部監査部門を強化し、外注
していた業務を内製化することによって内部統制強化の⾃助努⼒をはかる動きが増え始めています。各企業
が、より内部統制の厳格化・内部監査人材の強化をする為に、社内人材には存在しない内部監査人材を外部
から登用する動きが目⽴っています。
職種としては、リスク監査・システム監査職のニーズが特に増加傾向に。
従来型の伝統的監査ではなく、将来のリスクを予知するリスク監査が出来る人材の採用の増加が顕著です。また、今後システム内製化が各企業で進むことを踏まえ、他の監査職よりも、システム監査職がどの業界でも引く手数多になるといえるでしょう。
具体的なニーズとしては、当該業界での10~20年以上の勤務経験とこれに裏付けられた内部監査実務経験がある40代後半から60歳位までの方。経験としては、リスクマネジメント部門、オペレーショナルリスク管理部門での実務経験が特に歓迎されます。40歳未満の方は、監査法人における監査実務経験者、CIA、CISA等の専門性の高い資格保有者が必須要件になってきます。
ただし、システム監査職はIT・システム業界出身者で、社内システムにおける要件定義などの経験や社内コンサルの経験を持っていれば、異業種でも大いに転職可能となっています。
求められる人物像
年齢問わず、豊富な経験を活かした判断力
リスク監査に注目が集まり、年齢を問わず資格を持った経験のある人や知⾒の豊かな⼈が欲しいというニー
ズに変化していることから、50代から60代前半の方も採用されるケースが少しずつ増えてきました。
職種上、自分と同じ社内の方に対し(支援・アドバイスを含め)問題点を指摘する仕事なので、比較的高い
ご年齢の方が望ましい場合もあります。しかし、上からものをいうタイプの高圧的な人は基本的にNG。物
腰の低さ・謙虚さを持ち周りから信頼される人間性と、豊かな経験・知⾒に裏付けられた先を⾒越した判断
⼒が求められます。
求職者へのアドバイス
資格取得に努め、職務経歴の担保を
昨今、資本市場の発展とインターネットの普及・浸透に伴って、企業を取り巻くレピュテーションリスクに
対する配慮の必要性は高まる一方です。このため語弊があるかもしれませんが、これまで本流ではない/保
守的な部門と⾒られがちだった内部監査部門は、日に日に脚光を浴び始めています。
内部監査に従事している方は、「同じ船の乗組員」だからこそ分かる視点を醸成し、第三者審査(監査)機関
とは一線を画するという自負を持ち取り組んでいただきたいと思います。
今後のキャリアとして内部監査職を選択肢として考えている方は、CIA・CISA・CCSA などの資格取得に努
めて、ご自身の職務経歴に強⼒な武器を増やしていただきたいと思います。
「内部監査」は「警察」でも「検察」でもない、同じ船の中に存在する組織であり他のクルーと同じバッヂ
をつけた仲間であるということを絶対に忘れないこと、これこそが最も⼤切な資質だと思います。社⻑以下
社員の皆さんから感謝される内部監査部を作って下さい。