2013/12/08up!
消費者ニーズ変化に伴い、ブランディング経験者が必要に
市場の変化
リーマン・ショック、震災から回復。前向きな求人が増加
流通・小売市場はリーマン・ショック、東日本大震災から回復傾向にあり、求人数も増加しています。リーマン・ショック後は不採算店舗の撤退など、事業をスクラップする動きが大半。そこに震災が起こり、しばらくは採用数も落ち込みました。しかし予想以上に回復が早く、2011年の夏以降、各社、戦略的な背景を持つ求人ニーズがじわじわと増えはじめ、昨年から新たな方向性に向けての前向きな求人が本格的に増加しています。
消費税導入や円安の動向などにより、今後の採用市場の観測は流動的。来春消費税が導入されれば、一時的な消費の冷え込みにより採用を控える動きも出てくると思います。ただ、業界各社、新たな取り組みや新たなマーケットへの進出など中・長期的な戦略に伴う求人需要は活発に続くことが予想されます。価格戦略に陥ったデフレ時代を経て、「誰」に対して「どのような商品・サービス」を提供するのか、オリジナリティを追求する動きが今後は続くと思われますので、これまでなかった求人ニーズも出てくるのではないでしょうか。
求人ニーズ
PB、海外事業など「次の一手」を担う役割
マーケット(消費者ニーズ)の細分化により、独自性のある商品力やサービスが求められるため、今後も商品開発やブランディングに関わるポジションの募集は増えると思います。特に近年ではプライベートブランド(PB)商品の企画・開発競争が激化しており、より付加価値の高い商品を開発するため、メーカーでの開発経験者を求める傾向に。また、市場の変化も激しく、迅速な打ち手が企業には求められます。そのため、マーケットを的確に把握するためのマーケティング部門を強化する求人ニーズもこれまで以上に増えることが予想されます。
さらに生産拠点としてだけでなく、「市場」としてのグローバル化による人材ニーズも高まっています。一時はグローバルリスクを懸念し海外進出に慎重な動きもありましたが、資材調達や生産拠点としての係わりだけでなく、市場として海外展開を本格化する流通企業は多く、海外営業のみならず現地法人の責任者クラスや国際経理、グローバル人事など管理部門でもニーズは高まると思います。
求められる人物像
専門性+組織を巻き込む能力、変化への対応力
求人の傾向として、即戦力として専門性が求められるのはもちろんですが、それだけでなく社内外の組織を巻き込む力と、変化への対応力が求められる傾向にあります。一人の力でできることには限界がありますから、社内外の組織と協力体制を築けるかどうか、コミュニケーション力やネットワークを築く力が必要。
組織を巻き込む能力というのは、「自分の立ち位置を明確にする」ことだと言えます。
また、マーケット環境がめまぐるしく変化する昨今、いち早く現状を察知し、対応できる柔軟性もこれまで以上に必要とされると思います。そういう意味では、実績だけでなく、いかに軌道修正しながらPDCAをまわしてきたのか、プロセスについても、面接などでお話いただくと良いと思います。
面接の際には、特に、自身がどのような役割を担えるか、相手がイメージできるよう、心がけてください。
企業は専門性だけでなく、具体的に組織の中でどのような役割を担えるかという観点で判断します。
そのためには、これまでの経歴を羅列するだけでなく、所属する組織やプロジェクトの中で、自分がどのような役割を担ってきたのか、客観的な視点で自身のキャリアを把握し、伝えることが重要。また、選考を受ける企業が今どういう立ち位置にあるか、何に困っているのかを理解しておくことも必要に。こうしたキャリアの棚卸しや企業理解は一人では困難な場合もあるため、ぜひ一度専門性をもったコンサルタントに相談してみてください。