2014/03/31up!
マーケットは依然厳しくも、外資系企業 / 中堅・中小企業を中心にニーズあり
市場の変化
厳しいマーケットの中、白物家電・海外半導体は堅調に推移
業界全体としては依然として厳しいマーケット状況にありますが、需要が拡大している分野もあります。白物家電は国内出荷額がデジタル家電を上回るなど、需要が手堅く推移。アベノミクスによる景況感改善や、エコ志向の高まりから「いいものにお金をかけよう」というマインドが醸成されており、メーカー各社もそのニーズに答えられる製品を積極的に投入しています。また、自動車市場も好調で、電装・EVを中心に需要が拡大中です。
国内メーカーが苦戦を強いられている半導体も、DRAM価格の安定を受け、世界市場は依然として伸張。半導体による制御を必要としない電子機器はほとんどないことから、今後も世界的な需要は継続的に伸びることが予想されます。
求人ニーズ
外資系企業 / 中小企業でのニーズが見られる
大手企業では、30代の若手層を除き積極的な採用ニーズは見られません。その半面、外資系企業や中小企業ではニーズが増加傾向に。事業戦略と人材戦略の連動性が強い外資系企業は、事業戦略上必要なポジションが生じると、積極的にキャリア採用を行っています。中堅・中小企業では、大手が採用に動きづらい市況だからこそ、優秀な人材を獲得しようという動きが目立ちます。
製品分野別に見ると、自動車関連市場のニーズが活発に。電装関連分野や、EVに関連するリチウムイオン電池、バッテリーシステムなどでの募集が出てきています。半導体に関しては、国内の採用はほとんどないものの、海外で研究・開発や設計などのニーズが堅調。ただ、国内の半導体生産が28ナノメートル製造プロセスでとどまっているなか、海外では20ナノでの量産が進んでいる現状があり、日本での半導体経験がそのまま優位になるとは限りません。先端プロセスの中でも特定の分野に強みを持つような、高い専門性が求められます。
求められる人物像
”深み”のある専門分野を持つ人材
企業は専門分野の”深み”を重視します。専門性があると評価されるのは、最低でも3年以上の経験分野。その経験を持つ人材のなかでも特に、積極的に自身の価値を高めようとしている方が転職を成功させています。具体的には、コンソーシアムや学会などで自身の成果を発表して、業界でのポジションを確立しているような方。また、ノルマをこなすためだけでなく、自身の価値を高めるために積極的に特許を取得しているような方などは、市場価値を高めようとしている人材だと評価されるでしょう。
資格を評価する企業もありますが、あくまで現場の深いレベルでの経験と結びついている場合に限ります。例えば、弁理士の資格を持っている方でも、特許を少し書いたことがあるという程度では不十分。知財部に所属し、弁理士の資格を実践として活用しているレベルの場合などは、十分強みになると言えます。
アドバイス
業界の”プロ”に相談し、専門を活かせる裾野を広げる
まずは、専門分野に強いコンサルタントに相談をもちかけるようにしてください。全体として募集の数は多くないため、自身のスキルや経験にフィットする求人情報を見つけることは難しい状況にあります。専門性の高いコンサルタントは、自分では気付かなかったキャリアを提案してくれることも。自身の経験をまとめた経歴書を提出し、今後のキャリアについて話し合ってみることをおすすめします。
職務経歴書を作成する際には、直近に何を経験していたかを具体的に記載することが重要。専門用語が入っていても構いません。まず、具体的なキャリアを整理してコンサルタントとキャリアを相談し、応募企業ごとに職務経歴書をブラッシュアップすることで、自身の専門性や強みを伝えられるのではないでしょうか。