2013/12/08up!
海外展開の増加により、クロスボーダー人材ニーズが活況
市場の変化
一昨年あたりから日本企業が守りの姿勢から成長戦略にシフトし、ファームへの依頼が増加
アベノミクス効果による円安・株高の影響もあり、日本企業が、コスト削減など守りの姿勢から成長戦略にシフトしており、関連テーマについて、コンサルティングファームへのコンサルティング依頼が増加傾向にあります。新市場への参入、新興国市場への進出、新規事業・サービスの立ち上げなどに乗り出す企業が増加。製造、流通、小売、サービス、通信、金融と幅広い業界において積極投資が見られます。特にASEANの関税撤廃やTPPの流れを受け、海外進出の案件が増えています。
更に、2020年に向けて、社会インフラ系のニーズが増加する観測も。特に環境エネルギーやスマートシティーなどを中心に、公共分野へのコンサルティングファームの参画が促進されることに期待が集まっています。
こういった日本企業の戦略変化や、公共分野への参入により、コンサルタントの不足が顕著です。
求人ニーズ
業界、ソリューション問わず、全方位的に積極採用傾向。M&Aは実行支援に軸足が移動。ビッグ・データやBI関連部門の新設も進む。
前述の市場変化も手伝い、業界、ソリューション問わず、全方位的な積極採用の傾向が見られ、
業界:製造、流通、小売、サービス、通信、金融など。
ソリューション:会計、SCM、顧客関係管理(CRM)、分析、M&A、人事・組織系など。
いずれも高いニーズがあります。更に、海外案件増加を受けて、英語力や海外勤務経験が求められる傾向にあります。
日本企業による海外展開の増加に伴い、クロスボーダー案件のニーズが増えています。M&A戦略に関してもマーケットリサーチや戦略立案にとどまらず、実行支援や買収後の定着支援を担うことが期待されています。具体的には、システムやサプライチェーン・マネジメント(SCM)、人事制度などを構築し、グローバルで統一するような役割が求められます。
新しい潮流としては、ビッグ・データへの関心・導入が高まるなか、デジタルマーケティング、データアナリティクスなどの求人も増加傾向に。すでに幾つかのコンサルティングファームでは、ビジネス・インテリジェンス(BI)、ビジネス・アナリティクス(BA)を扱う部門を新設する動きが目立ちます。そのため、コンサルタント未経験でも、統計解析、情報工学など数理系の知識を持っている方にも目が向けられており、採用の門戸は広がっていると言えるでしょう。
求められる人物像
自分自身で行動できる、ハンズオンタイプの人材
戦略策定や業務プロセス改善などのコンサルティング経験だけでなく、ITに対する知見を持った人材が求められています。現在は戦略コンサルティングファームにおいても、ITの要件定義までを担う仕事が珍しくありません。ベースとしての論理的思考力だけでなく、IT導入経験などが評価される傾向にあります。他にスキル・知識として求められるのは、会計、SCM、顧客関係管理(CRM)、分析、M&A、人事・組織系など。更に、海外案件増加を受けて、英語力や海外勤務経験が求められる傾向にあります。
スキルセット以外で評価されるのは、指示出しだけでなく、自分自身で行動できるハンズオンタイプの人材。マインド的な話になりますが、当事者意識、クライアントファーストの志向を持ち、顧客の立場で考えぬいて、泥臭くやりきれるような人材が求められています。
アドバイス
最新のビジネストレンドを取り入れ、変化に対応する準備を
ビジネス環境の移り変わりが激しい昨今、「変化に対応できる人材」が求められています。具体的には、過去の成功体験にこだわりを持たず、例えば昨今のモバイル化、ビッグ・データなどの最新のビジネストレンドを取り入れて仕事に取り組める人材。また、キャリアの選択肢を増やすため、英語を修得することをおすすめします。
景気が良い時は、現職が忙しくなり転職活動に取り組むことが困難になりがち。裏を返せば、その中で時間を捻出することが出来ると、ブルーオーシャンで転職活動に取り組めるということも、一つの戦術としておさえていただければと思います。