技術系(化学・素材・食品・メディカル)
2015/02/10up!

メディカル企業再編により、さらに求められる専門的グローバル人材

市場の変化

大規模な業界組織編制を期に、各企業がさらに専門性を持った経験者採用を進める。

製薬業界では、研究費の削減、売上げの鈍化、M&Aが成果に繋がらないなどの理由から、大手企業で職種を問わずリストラが行われ、市場に数多くの人材が流出。この影響で大手企業からの未経験者ニーズが大幅に減少しました。ただしリストラはしたものの、自社にマッチした優秀な人材は採用を続けたいというニーズは一層顕在化し、経験者に絞った採用にシフトしているようです。
また、薬価引下げや医薬品需要が低迷したことで国内医薬品市場の成長は鈍化し、海外市場に目をむける製薬会社が増加傾向にあります。

求人ニーズ

未経験者の採用枠は狭き門。経験者も限定的で専門性の高い経験を問われる

職種別に見ると、臨床開発職のニーズは順調に増加中。CROの統括・狭い専門分野毎の経験などが求められる傾向があります。単なる開発経験ではなく、実行した各業務単位までニーズが細分化されている状況です。
MR職に至っては、CSOからのMR認定資格者ニーズに偏る傾向に。未経験者採用のニーズは減少しており、経験者と比較すると年齢制限も厳しくなっています。
それ以外の職種で、増えているのがMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)です。
MSLはKOLに対する情報提供を中心に、製品開発に関するエビデンスの構築、臨床研究・論文投稿の支援などを行います。また、広範囲かつハイレベルな医学・製品情報の提供により、KOLの信頼を獲得することで、自社製品と自社の評価を高めることをミッションとしています。

求められる人物像

求められるのは専門領域知識と経験。そして語学力も!

各製薬会社がさらにグローバル開発を進めているため、内資系企業でも英語力が求められるようになりました。TOEICスコアや実際の会話力など、書類選考の段階で厳しく見られるようになってきています。
また、経験に至っては臨床開発・MRともに専門領域(癌・中枢神経・糖尿病等)の経験が求められています。MR職は、売上実績数字のみならず、達成数字を構成するための手法が問われますので、端的かつ、ロジカルに説明できるように事前にまとめておくことをおすすめします。
臨床開発職ではCRO等への外部機関とのやりとりが多くなるため、協調性やプロジェクトの推進能力がより重視される傾向に。協調性がありチーム連携がとれる人が求められています。

求職者へのアドバイス

転職動機の道筋とご自身の経歴と希望を確認しましょう

企業側は、軸のはっきりしている人を求めます。“とりあえず良い条件であれば転職したい…”ではなく、 “なぜ今の会社を辞めるのか…” “転職の目的は何か…” “なぜこの企業に行きたいのか…”を明確にしなければなりません。
また、一定以上の役職経験者に多いケースとして、ポジションや待遇への強いこだわりがあることにより、新たな道筋を見つけられない方が多くいます。過去の経験や役職に左右されず、ご自身の経験をもとに年収のダウン、非管理職などのポジションでもトライする覚悟をされているほうが採用されます。
また、転職をしたいと考えている方は、一度、コンサルタントにご自身の市場価値を分析してもらった上で、希望条件と照らし合わせて活動をされる事をお勧めします。
コンサルタント
株式会社リノーション
建設会社に入社。営業、人事を経て29歳よりエグゼクティブサーチファームのコンサルタントとしてキャリアを積む。その後外資系、日系人材紹介会社を経験する。2011年に株式会社リノーション設立し、製薬会社、医療機器会社、CRO、CSO、医療機関等に対しての紹介事業を行っている。
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土木田 斉 / 株式会社フューチャー・オポテュニティー・リソース
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