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94「ミドルの異業種への転職」について(2023年版)

アンケート実施期間 : 202352日 ~ 2023512
有効回答数 : 178
「異業種・異業界企業への転職を希望するミドルが増えている」と回答したコンサルタントは72%。
新型コロナやAI技術の台頭を要因として「今の業界・会社の先行きが不安」と考えるミドルが増加。紹介する上での課題は「年収・待遇のすり合わせ」が最多。
今回は、「ミドルの異業種への転職」についてコンサルタントに伺いました。

「直近、異業種・異業界企業への転職を希望するミドル人材が増えている」と回答したコンサルタントは72%。2021年の70%と大きく変わらない結果となりました。
また、その希望理由で直近増加しているものとしては、「今の業界・会社の先行きが不安」が71%でトップに。

「新型コロナウイルスやAI技術の影響で、業界ごとの傾向差がより顕著になったため」という意見が多数寄せられたほか、「自動車業界の電動化への動きにより、部品メーカー勤務の方が自社の将来に不安を感じ、転職を検討するケースが増加している」「外資系企業のレイオフ等も含め、安定的な雇用形態が崩壊しつつあるため、成長業界への転職や専門性を身に着けたい方が多い印象」といったコメントも見られました。

一方、異業種・異業界企業への転職を希望するミドル人材に求人を紹介する上では、「年収・待遇のすり合わせ」が課題であるという声が58%で最多となりました。

最後に、異業種転職を検討する上での注意点についても伺っています。ぜひご覧ください。

Q1直近、異業種・異業界企業への転職を希望するミドル人材の増減は変化していると感じますか?

Q2異業種・異業界企業への転職を希望するミドル人材の希望理由について、直近増加しているものを教えてください。

その他の回答
  • 現職に飽きた方もいます(十分に経験したので、別の仕事にチャレンジしてみたいなど)。

Q:その要因・背景を教えてください。

  • コロナが明けても収入が上がらない、今年もボーナスが出ない、リモートワークが禁止になった、ChatGPTを知ると今いる業界や仕事がなくなると不安、など。
  • コロナ以降人の生活パターンが変わったり、世界的な不安定さの中で成長産業、あるいは専門性を身に着けたいという人が増えていると感じます。
  • IT化、AI技術の発展が進む中、業界ごとにおける将来性の明暗や、労働集約型である業界とそれ以外との働き方格差がはっきりとしてきた為。
  • 現職がコロナの影響やIT化などの産業の移り変わりによって売上が落ちており、異業種へ転職を希望される方が増えている。

Q3担当したミドルの転職者のなかで、異業種・異業界企業への転職を実現された方はいらっしゃいますか?

Q4Q3で「はい」と回答された方にお伺いします。

Q:異業種への転職を実現されたミドルの転職者の、転職前の業種として多い業種の上位3つを教えてください。

Q:その理由を教えてください。

メーカーの理由
  • メーカー勤務・商社勤務の人に関しては、コロナ禍により自社製品や取扱商材が売れなくなった等の理由で、転職を考えている割合が増えたと思います。
  • モノづくりへの限界(成長性の課題)とハードウェアからソフトウェアビジネスへの業種変更によるキャリアアップ。
流通・小売・サービスの理由
  • コロナの影響で業績不振になった外食産業や、医療法人・介護、経費削減の影響を受けた広告業等の離職が多く、特に業績回復を狙う中堅以下の規模のオーナー企業の強気な経営方針に付いていけない社員が増えていた。
  • 飲食・ホテル・ブライダル等専門のサービス業のキャリアチェンジ希望はコロナ中から変わらず増加。
商社の理由
  • 専門性をつけるため、お客様への営業活動を深掘りしたいため商社からメーカーへの転身される方が微増している。
金融の理由
  • 金融機関、特に銀行は低金利下での収益状況が厳しく最近までリストラを積極的に行っていた事や、支店の統廃合でポストが減って収入ダウンにつながっている。

Q:ミドルの転職者は、どのような業種への異業種転職が多いですか?上位3つをお答えください。

その他の回答
  • 介護福祉系
  • 人材業界
  • 住宅

Q:その理由を教えてください。

IT・インターネットの理由
  • 製造業にてプログラミングを使っていた方が、ソフトウェア、IT専門企業に移る傾向がみられた。
メーカーの理由
  • 私は物流、金融業界の方のご転職支援を主としておりますが、物流→商社、メーカーは特に多く感じます。
    具体的な理由と致しましては、
    ・固定の休みが欲しい
    ・転勤が頻繁になり環境で働きたい
    等がメインとなります。
コンサルティングの理由
  • ITコンサルは採用を加速し、特に事業会社等での採用見直し期間にも尚採用継続しており採用計画は順調に推移している企業が多い。
  • 以前からですが、コンサルは経験業種向けのコンサルとしての採用可能性があるから。
流通・小売・サービスの理由
  • 流通・小売・サービス関連は箱ものビジネスに業界スライドする傾向がある。飲食などコロナの打撃を受けた業界出身者は医療や介護の施設管理系のポストへ。
  • 金融や小売業界は各社で転換点となりDXの必要性に迫られており、その課題解決に貢献したい候補者もいる為。

Q:異業種転職を実現されたミドルの転職者は、どのような職種の方が多いですか?上位3つを教えてください。

Q:その理由を教えてください。

営業・マーケティング系の理由
  • 営業職の場合は異業種でも営業経験や顧客との折衝経験がある場合は、受け入れてくれる企業が多いため。
経営・経営企画・事業企画系の理由
  • 業界をまたいでも問題ないレイヤーの方々の転職が多い(経営層など)。
コンサルタント系の理由
  • 営業職や人事部門の方達が人材ビジネスにチャンスを求めて。
技術系(IT・Web・通信)の理由
  • DXを推進している企業が多い中、社内SEのご依頼が増えています。業界ごとの特色はもちろんありますが、比較的異業種に挑戦しやすいポジションの為、何件か異業種転職の事例があります。

Q5異業種からのミドルの転職者に対して、「採用企業が期待するもの」は何ですか?上位3つを教えてください。

その他の回答
  • 現職企業を顧客とすること

Q:その理由を教えてください。

「経験職種での専門知識・専門スキル」の理由
  • 職種業界どちらも圧倒的に専門的な知識やスキルの所持者。
    これからの可能性やポテンシャルで見る企業はほとんど無いかなという印象。
    企業側も人材確保に資金を投じているので尚更専門的なスキルのある方を好む傾向が強いと考えています。
  • DXを加速させビジネスを変えるにはマイクロサービス化、クラウド化等の最新技術を導入していく必要がある為、スキルは期待値が大きい。また、入社後に業務や業界知見を取り入れる謙虚な姿勢が高評価に繋がるケースが増えている。
「新しい環境でも主体的に動ける行動力」の理由
  • 今後どのような未来、社会が訪れるか不明確な中、ただ単にスキルや知識が豊富な人材が欲しいのではなく、その人となら未来を一緒に切り開いていけるのか、難しい問題にも乗り越えようとする気概があるのかどうかなど、企業はより人間の本質みたいなものをみる傾向が増えているように思う。
  • 異業種への転職となりますと、経験値も重要な採用基準になりますが、即戦力化は難しいことから、コミュニケーション力や新しい商材やサービスの習得意欲や既存社員やクライアントとの相性、そして長期就業観測等の人物像も重要な採用基準になっております。
「マネジメント力」の理由
  • 管理職系の求人を取り扱うことが多いのですが、最近の求人では、以前より更にコミュニケーション能力やマネジメントスキルが重要視されているように思います。

Q6ミドルの転職者が異業種への転職が出来ない理由は何ですか?上位2つの理由を教えてください。

その他の回答
  • 即戦力に欠けるから

Q7異業種・異業界企業への転職を希望するミドルの転職者に求人を紹介する上で、課題と感じることは何ですか?

その他の回答
  • 人物面でのマッチ

Q8求職者が異業種転職を検討するにあたり、注意すべき点を教えてください。

  • 転職活動で年収や働き方、ポジション含めて条件が良くなるのは「即戦力として期待される場合」である事を理解する事が重要であると感じております。
    異業種・異業界転職の場合は、スキルや経験をストレートには活かせない為、中長期的な目線で今の年収や条件が多少悪くなっても良い、リスクを取っても良いという強い思いがなければ成功しないです。

    リスクが取れない場合は現職残留かその業界の大手にステップアップ等を選択した方がミスマッチも少なく総合的に見た際は良いキャリアになると思います。
  • 企業は人材不足の環境の中で、事業拡大・体制の強化のために、同業種に限らず異業種からの採用も含め、優秀な人材を採用したいと考えているものの、これまでの経験・スキルをどの程度活かすことができるのか、に変わりはなく、何が得意なのか、どの程度の戦力になれるのかをしっかりと伝えていく必要があること。
  • 業界知識が無いことは問題ないですが、同業界への関心や興味、課題感を持つという事は重要なポイントになります。またその転職を通して何を実現したいのかの考えを深めることを推奨いたします。
  • これまでの経験への自信は必要だが、異業種へ移るということは働き方・条件等の常識も異なるということを理解し冷静に許容・検討する気持ちを持つこと。
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