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73「ミドルの異業種への転職」について(2020年版)

アンケート実施期間 : 2020123日 ~ 2020130
有効回答数 : 102
48%のコンサルタントが「異業種への転職を実現した転職者がいる」と回答。
転職先として多い業種は「メーカー」「IT・インターネット」。
ミドル世代の未経験業界への転職について、コンサルタントに伺いました。

48%のコンサルタントが「異業種への転職を実現した転職者がいる」と回答。転職先として多い業種は「メーカー 59%」「IT・インターネット 47%」「流通・小売・サービス 39%」となりました。

採用企業が、異業種からの転職者に期待するものは「経験職種での専門知識・専門スキル 76%」「新しい環境でも主体的に動ける行動力 47%」「経験業種での専門知識・専門スキル 41%」の順となりました。培った職能に加え、その知見を新しい環境で活かすための主体性が求められています。

他にも「異業種転職の多い職種」「異業種転職の注意点」などについても伺っています。ぜひご一読ください。

Q1担当したミドルの転職者の中で、異業種・異業界企業への転職を実現された方はいらっしゃいますか?

はい:48%、いいえ:52%

Q2Q1で「はい」と回答された方にお伺いします。
異業種への転職を実現されたミドルの転職者の、転職前の業種として多いのはどの業種ですか?上位3つを教えてください。

メーカー:47%、商社:33%、流通・小売・サービス:33%、IT・インターネット:29%、コンサルティング:27%、金融:22%、建設・不動産:18%、広告・出版・マスコミ:10%、メディカル:4%、インフラ・教育・官公庁:4%

その理由を教えてください。

メーカーの理由
  • 応用性・多様性の高い業務経験を積みやすい企業が多いため。
  • 業務スキル・ビジネススキルがを取得している方が多く、別業界で業界・商品知識がなくても活躍できるため。
  • 景気のよい業界への転職のため。
  • 発注側にいた方が転職されるケースが多くみられるため。
商社の理由
  • 他の会社との取引等で繋がりがあるケースが多い。
  • 業務経験の幅が広く応用が利くため。
  • 数値管理・予実管理経験が活かせるため。
  • IT系含めた成長産業への転職のため。
流通・小売・サービスの理由
  • ホスピタリティ、対人コミュニケーション能力が高い方が多く、組織マネジメント能力が高いケースが多い。現場経験に加え、管理部門やwebマーケティングといった専門性、もしくはマネジメント経験をもった方は異業種へ転職しやすい。
  • サービス業界の方は、未経験可能な製造・営業職に転職を成功させるケースが多い。
  • 小売サービスは扱う顧客データが多く異業種に汎用性があるため。
  • 業界経験を活かしたテック企業に転職されたケースがありました。
IT・インターネットの理由
  • 労働環境の改善のため、特に長時間労働・低賃金からの脱却を求めていらっしゃる方が多い。
  • 形のないソフトウェアから実際の製品に関連する開発に関わりたい方が多い。
  • ToC向け・ToB向けの汎用性があるため。
コンサルティングの理由
  • コンサルティング会社で培ったスキルを、自社製品の拡販などに尽力したいとお考えの方が多く、コンサル会社からの転職が多くなっております。
  • コンサルサイド(BtoBやBtoBtoC)から事業会社への動きは鉄板です。
  • 幅広い分野のプロジェクトを行っている方などは、対応力・汎用性がある為。
金融の理由
  • メーカー・流通小売等に比べて、顧客自体の業界が限定されないので、融通が利きやすいため。
  • 業界的に縮小傾向にあったり、不安定な業界のため。
  • ファイナンス面に知識があり活かせるため。
広告・出版・マスコミの理由
  • 広告・出版・マスコミ 主に広告業界出身者は、クライアントやその業界を熟知しており、事業サイドへの転職を成功させている事例がありました。
メディカルの理由
  • MRの方などの業界不振の職種や、扱っている製品の分野が販売不振・業界不振でのキャリアチェンジと、業界全体の就労環境が悪くキャリアチェンジされるケースが多い。前向きな理由で新しい分野・業界にチャレンジしたいという方もいらっしゃった。

Q3ミドルの転職者は、どのような業種への異業種転職が多いですか?上位3つを教えてください。

メーカー:59%、IT・インターネット:47%、流通・小売・サービス:39%、コンサルティング:31%、商社:22%、建設・不動産:18%、金融:16%、メディカル:10%、広告・出版・マスコミ:4%、インフラ・教育・官公庁:2%、その他:2%
その他の回答
  • アウトソーシング

その理由を教えてください。

メーカーの理由
  • メーカーの物売りからソリューション販売への変化が求められており、アプリやクラウドシステムの開発経験をメーカーが求めているため。
  • 新規事業やプロジェクトが発生した際などに、自社ではもっていないスキルセットを求めるから。
  • コンサルティング会社などで培ったスキルを、事業会社で活かしたいとお考えの方が多いため。
  • 特に外資系企業では年齢制限をもうけない企業も増えた。 
IT・インターネットの理由
  • 求人の多さから、IT・インターネット系への異業種転職が圧倒的に多い。業界の課題を、IT・インターネットで解決する企業、業務支援のSaaS型企業など、業界経験を転用できるケースが多くなっている。
  • 伸びしろのある業界だから、キャリアアップが図れる環境の会社が多い。
  • 業界的に転職しやすく、スキル重視の転職となっている。
  • 成長業界で求人案件が多いから。
流通・小売・サービスの理由
  • 上位職への挑戦、年収アップ、キャリアアップ目的のケースが多い。
  • 未経験でも受け入れるケースが多いため。
  • 年齢上限が高いため。
コンサルティングの理由
  • 新しいキャリアステップとして希望される方が多くいらっしゃいます。
  • 過去の経験を活かせる高い汎用性がある為。
商社の理由
  • 同業他社または取り扱い商品側の業界経験者を希望されるケースが多いため、取り扱う商材経験者が異業種ということが起こりやすい。
  • 外資系など年齢制限をもうけない企業が増えたため。 
建設・不動産の理由
  • 高年収帯の方々については、熟練者向けの求人が多いが、零細企業であれば年齢よりもやる気を重視することが多く、近しい業界の知識と意欲さえあれば突破可能な選考もあるため。
  • 人手不足の状況で育成(技術職含)も視野に入れた採用計画があるため。
金融の理由
  • 他業界から見ると年収水準が高いものが多く、魅力的に感じやすいため。
メディカルの理由
  • 専門分野は充実しているものの比較的管理系の部門が未成熟な場合が多い。

Q4異業種転職を実現されたミドルの転職者は、どのような職種の方が多いですか?上位3つを教えてください。

営業・マーケティング系:71%、経営・経営企画・事業企画系:49%、管理部門系:29%、コンサルタント系:27%、技術系(IT・Web・通信):27%、技術系(電気・電子・半導体):10%、技術系(建築・設備・土木・プラント):10%、金融系:6%、不動産系専門職:6%、技術系(機械・メカトロ・自動車):4%、サービス・流通系:4%、クリエイティブ系:4%、技術系(化学・素材・食品):2%、技術系(メディカル):2%

その理由を教えてください。

営業・マーケティング系の理由
  • 接客業務から対人折衝能力を活かした営業職へのキャリアチェンジが多い。
  • 汎用性が高いスキルセットをお持ちのため。
  • 扱う商材の親和性があれば汎用性があるため。
  • クライアントワークから事業会社の転職が可能なため。
経営・経営企画・事業企画系の理由
  • 管理職ポジションから幅広い経験をしており、その経験が異業種でも活かせる。異業界でも業界未経験者の即戦力を求めている傾向にある。
  • その業界における人脈と自社の予算を見ていた方であればエージェンシーサイドに移行してもクライアントワークがスムーズに対応できるため。
  • 自らの市場価値を上げようとしている方が多い。
  • スキルをもって更に経営に近いポジションを目指すケースが多い。
管理部門系の理由
  • 人事・総務・経理に関しては、業界不問としている企業が多く、企業規模やグループ会社の有無、上場企業経験の有無など業界以外での観点でのスクリーニングをしたうえで人物面のマッチングを図る企業が多いため。
  • 業界経験よりもスペックや人柄重視なので、業界経験はあまり関係がない場合が多い。
  • 業界知識よりも職種における実務経験を求められてのケースが多いです。
  • 業界問わない職種や事業会社の目線で生かせる知識・経験があるため。
コンサルタント系の理由
  • 今までの業界でキャリアを積んでこられ、業界チェンジを図りキャリアアップにつなげることができる職種だから。
技術系(IT・Web・通信)の理由
  • 求人が多く業種を選べる。
  • 社内SEは多くの企業で募集があるため、Sler勤務の方が異業種での社内SEに落ち着くという例が多くあります。
  • Webサービス、メディア等はどの企業にもあり対応できる点。

Q5異業種転職を実現されたミドルの転職者の「企業規模の変化」はありますか?上位3つのケースを教えてください。

大手企業→中小企業へ:55%、大手企業→大手企業へ:41%、中小企業→中小企業へ:39%、大手企業→ベンチャー企業へ:37%、中小企業→大手企業へ:24%、中小企業→ベンチャー企業へ:24%、ベンチャー企業→大手企業へ:14%、ベンチャー企業→ベンチャー企業へ:12%、ベンチャー企業→中小企業へ:8%

Q6異業種転職を実現されたミドルの転職者は、どのような年齢の方が多いですか?上位3つを教えてください。

30代後半(35才~39才):71%、40代前半(40才~44才):84%、40代後半(45才~49才):61%、50代前半(50才~54才):31%、50代後半(55才~59才):4%、60代~:2%

Q7異業種転職を実現されたミドルの転職者は、どの年収帯の方が多いですか?上位3つを教えてください。

499万円以下:24%、500~599万円:39%、600~699万円:45%、700~799万円:39%、800~899万円:55%、900~999万円:35%、1000~1499万円:29%、1500万円~:2%

Q8異業種転職を実現されたミドルの転職者の、転職後の年収にはどのような傾向がありますか?

200万円~増加する:8%、100万円~199万円増加する:8%、50万円~99万円増加する:20%、~50万円増加する:29%、変わらない:51%、~50万円減少する:31%、50万円~99万円減少する:22%、100万円~199万円減少する:14%、200万円~減少する:10%

Q9異業種転職を実現されたミドルの転職者は、どのような役職の方が多いですか?上位3つを教えてください。

課長クラス:65%、役職なしのスペシャリスト:55%、部長・次長クラス:51%、主任・係長クラス:47%、本部長・事業部長クラス:18%、経営者・役員:6%

Q10異業種からのミドルの転職者に対して、「採用企業が期待するもの」は何ですか?上位3つを教えてください。

経験職種での専門知識・専門スキル:76%、新しい環境でも主体的に動ける行動力:47%、経験業種での専門知識・専門スキル:41%、経験業種でのスキル・ノウハウの転職先企業への汎用化:39%、マネジメント力:31%、慣習にとらわれない柔軟な思考:22%、異なる背景を持つ方とのコミュニケーション力:12%、異なる視点からのアイディア創出力:12%、新しい業務・商習慣などへの適応力:10%、グローバル展開への対応:6%、新しい知識をスキルを獲得しようとする姿勢:6%

その理由を教えてください。

経験職種での専門知識・専門スキルの理由
  • 事業成長、組織活性化などを期待されての入社が多い。適応スキル・高いコミュニケーションスキルは異業種転職の最低限の条件。「有名な○○社の出身の部長」など肩書きで採用した結果、まったく適応できずに退職するというケースが散見される。そういった候補者の相談が実際にあります。
  • 異業種歓迎≒職種重視の場合が多く、求職者のタイプ(人柄、ケミストリー、志向性)・スペック(経験やスキル・知識)重視の採用に必然的になる。
新しい環境でも主体的に動ける行動力の理由
  • スタートアップではプレイングマネージャーのニーズが多く、やることが盛りだくさんかつ、年齢問わずのカルチャーのため。
  • これまでの知識・スキルを、転職した企業へ浸透させ、 有効に活かすためには、自身の行動力・実行力が必要と考えます。
  • 未経験業務・領域においても、バックグラウンドを活かしつつ、主体的にキャッチアップをしていく必要があるため。
経験業種での専門知識・専門スキルの理由
  • 今までに無い視点からの事業成長・職務レベルの格上げを希望している為。
  • 異業種でも転用できるポータブルスキルと別業界出身からの新たな視点が求められる傾向にある為。
経験業種でのスキル・ノウハウの転職先企業への汎用化の理由
  • ミドルの方はこれまでのキャリアのほうが転職先で過ごす時間より長いケースも多く、価値観が出来上がってしまっている方が多いため、前例にとらわれずに経験を活かしてもらえるか、転職先のルールの中で力を発揮してくれるのか、という点を見極めたいというニーズが多い。
  • 経営課題を理解し、何を解決したいか確認した時に採用ミッションが分かる。その内容をどこまで理解するかがポイント。変革を求め、柔軟な対応を希望した採用のケースであれば必要。
  • 自社には無い専門性を持ちこんで頂く期待とともに、違う環境で対応できる柔軟さも必要となる為。

Q11求職者が異業種転職を検討するにあたり、注意すべき点を教えてください。

  • ミドル層の異業種転職者には、圧倒的な成果を求めらます。現状課題を解決できない、新しい領域やグローバル展開を推進したいなど、企業は明確な課題をもっていることを理解し、入社後の具体的なアクションをイメージできるようにすべきです。 「自由にやっていいと言われたのに、制限が多かった。入社前と話が違う」という理由で早期退職をする方がいましたが、入社後の具体的な話をせずに、「自分は○○と思っていた」と入社を決めていました。 また、理由なく年収アップオファーをだす企業には、好条件を出さないといけない採用状況、組織課題があることを理解した方が良い。
  • 業界が違うと商習慣が全く異なる可能性があるため、転職検討先だけでなくサービスを提供する顧客の文化をきちんと見るようにお伝えしています。業界全体で朝が早い(8時台に勤務が始まる)企業におけるフレックスOKな会社などの場合、実質9時より前に来ないと仕事が滞るなどのギャップが生じるケースがあります。「コンプライアンス順守」が指す度合いが業界によって全く異なるため、特に非金融の方が金融業界への転職を検討される際には、年収以外の暗黙の了解やマナーの違い(風土の違い)は事前に理解いただくようにしています。
  • 異業種であっても経験者扱いで入社できるか、未経験扱いになるかにより異なりますが、後者の場合は待遇面での妥協が必要です。 求職者としては、生活面もありキープしたいと考えますが、企業側からすると、未経験で採用した場合戦力になるまで時間がかかりますので、最初から経験者と同等の待遇は難しいのが一般的です。またミドル層になって新しいことを習得するにはかなりのエネルギーを必要とします。それを踏まえても、やりたいと思える強い気持ちがなければ、幸せな転職にはならないと考えます。
  • 企業文化やビジネスに対する物の考え方が大きく異なるため、マインドリセットが必要となります。また、仮にご縁があった場合には、過去の成功体験に囚われることなく、上司や先輩のアドバイスや業務遂行の手法を受け容れて真似ることから始める「素直さ」が大切です。少なからず成功体験や実績を上げてきた方が多いと思いますので、気持ちを切り替える勇気が求められます。
  • 過去の成功体験や、大手でのマネジメント経験が指示型のマネジメントで通用すると考えないこと。転職先はプレーイングリーダーとして、人脈や経験やリーダーシップを求めている場合など、より厳しい環境になることに対する覚悟を持つ事が必要。
  • 職種マッチングがかなり進んでいる昨今ですので良い意味では選択肢が広がりますが、特にベテランの方であればあるほど、違う業界であれば今まで培ってきた人脈を使う機会が少なくなる可能性が高いことは留意すべきです。
  • 給与や役職等の現状以下となる可能性が高い中で、敢えてリスクを犯して異業種に転職するのであれば それ相応の覚悟と周囲の理解が必要であることを認識する必要がある。

Q12Q1で「いいえ」と回答された方にお伺いします。
ミドルの転職者が異業種への転職が出来ない理由は何ですか?上位2つの理由を教えてください。

ミドルにおける業界未経験OKの募集が少ないため:51%、年収や待遇が下がることが多く、求職者側が受け入れられないため:47%、本人の希望と転職市場での市場価値にギャップがある場合:36%、経験職種での知識・スキルに専門性が足りない場合:30%、そもそも異業種への転職を望むミドルがいないため:15%、異業種から転職者の受け入れで失敗した経験を持つ企業が多いため:4%
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