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55「ミドルの転職における年収交渉」について

アンケート実施期間 : 201873日 ~ 2018712日 / 有効回答数 : 132
年収交渉により転職者の希望年収が実現する割合は「50%未満」との回答が約6割。
一方で「401万円~500万円」の年収アップを実現した例も。
年収アップを目指して転職活動をしているミドルもいらっしゃるのではないでしょうか。そのキモとなりうる年収交渉について、コンサルタントに伺いました。

「求人企業側と年収交渉をしたことはありますか」との質問に、95%が「ある」と回答。しかし「年収交渉により、転職者の希望年収が実現する割合」については約6割が「50%未満」と答えるなど、交渉が成功するケースはある程度限られているようです。

一方で、交渉による年収アップの最高額としては「401万円~500万円」という回答も。場合によっては、転職により大幅な年収アップを実現することも充分可能なようです。

では、具体的にはどのようなケースであれば、積極的に年収交渉を行った方がよいのでしょうか。寄せられた意見として、「選考過程の流れで企業が強く欲しいと思われる人材」「複数社内定が出ることが見込めるとき」など、選考において企業から評価を獲得することがまず前提にあるようです。

「企業体質的に年収交渉をしただけで内定に至らなくなるケースもある」「年収の交渉は企業側の期待値を上げることにつながり、パフォーマンスを上げられなかった場合は早期退職につながる可能性が高くなる」など、交渉を行うことのデメリットに関する意見も多数寄せられています。あわせてご覧ください。

Q1転職により年収にどのような希望を持つミドルが多いですか?

Q2実際は転職により年収はどのように変化することが多いですか?

Q3求人企業側と年収交渉をしたことはありますか?

Q4「年収交渉の経験がある」と回答された方にお伺いします。
年収交渉により、最高でどれほどの年収アップを実現しましたか?

その他の回答
  • 800万円のアップを実現した。
  • 単身赴任のケースで、週末ごとの帰宅に伴う新幹線代の給付を実現した。

Q5年収交渉により、転職者の希望年収が実現する割合はどのくらいですか?

Q6年収交渉はした方がいいと思いますか?

Q7「年収交渉はした方がいい」と回答された方にお伺いします。
それはなぜですか?

  • 転職は年収アップを実現する機会のひとつであるから。ミドルは役職アップなどのチャンスも、若手よりは機会が少ないケースが多いので、このタイミングで行うべき。ただし実力、市場価値とかけ離れた交渉はしない。
  • 現場(募集をしている部署)では年収の感覚が鈍く、実状と乖離がある場合がある。交渉は、それに関して人事経由で説明する機会になり、結果的に感謝されることもある。
  • 入社してからも昇給はするが、そのもととなるのは結局最初の年収なので、入社前に上げられるだけ上げておいたほうが良い。
  • キャリアアップを図る場合、年収はアップするものですし、公になっている求人票よりも実は年収の予算が多い場合もあるため。
  • 直近の年収が低い求職者でも、前職以前の年収・評価がもっと高い場合が往々にしてあるため。
  • 企業側も相場観を知りたいため、候補者年収(希望)を知り、交渉することを望んでいる。
  • 給与はモチベーションに大きく影響する。提示金額に納得がいかなければ、交渉はするべき。
  • 交渉をすることで、将来的な昇給や昇格に関する情報を得られることがあるため。
  • 年収交渉をすることによって、企業のご本人に対する「期待値」が判明する。
  • 難関資格保有者に対し、資格手当などを設けていない会社もあるため。
  • 希望をお伝えした上で、最終調整をすることが本人のためでもあるため。
  • 応募者の側に立つ姿勢が紹介会社としては必須と考えている。
  • 紹介人材に自信があり、優秀人材に限定し紹介しているため。
  • 地域おける物価の違いがある場合は行ったほうがよい。
  • 求職者の希望を叶えるのがコンサルタントの仕事だから。
  • 交渉をしないと人材の安売りになる可能性があるから。
  • 本人に自信がある場合は、当然の要求だと思う。
  • スキルに見合った年収はあたりまえだから。
  • キャリアを正当に評価してもらうために必要。
  • 生活面を含めて、きちんと向き合うため。
  • 転職とは人生の賭けだから。

Q8「年収交渉はしない方がいい」と回答された方にお伺いします。
それはなぜですか?

  • 年収の交渉は企業側の期待値を上げることにつながり、入社後に本人が期待されていたパフォーマンスを上げられなかった場合は早期退職につながる可能性が高くなるため。
  • 交渉することで、入社後の活躍するまでのハードルが上がるため。またその交渉で企業側の印象が悪くなりがち。
  • 応募時に最低希望年収と希望年収を伝えているので、それ以上の交渉をしても互いにメリットが少ないため。
  • 内定が出て給与が提示される前に、すり合わせた方がよい。

Q9「年収交渉した方がいいかどうかは場合による」と回答された方にお伺いします。
年収交渉をした方がいい場合としない方がいい場合の違いは何ですか?

  • 転職希望者はエージェントが「企業側と交渉すれば年収が上がる」「能力、力のあるエージェントであれば年収交渉により年収を上げられる」と勘違いしている人が多い。しかし年収は、転職希望者の選考過程での能力評価。「高い条件=高い期待やノルマ」となるため、実際には転職先で能力を評価されて年収が上がることが望ましい。よって高い条件(高い期待値)に対応が難しそうな転職希望者の場合は、提示条件が微増でも納得いただけるように話をする。
  • 現在、売り手市場の中で、800万円~1,500万円のハイクラス層は数多くのスカウトを受けており、市場の適性収入以上の金額を提示されていることも多い。こういった場合はご本人が勘違いしていることもあるので、年収交渉よりもポジションと仕事内容を中心に口説くようにしている。逆に現在500万円以下で、実力よりも低く評価されている方については積極的に交渉している。
  • 複数社内定が出ることが見込めるときは、交渉をした方がいい。内定が出るかどうかのボーダーライン上にある場合は交渉をしない方がいい。変に年収交渉をすると、お見送りにつながるケースもたまにある。
  • 選考過程の流れによります。企業が強く欲しいと思われる人材で他応募企業との競合があれば、本人が年収アップを望んでいなくとも決断を促すための年収アップを企業に要請することがあります。
  • 企業体質的に年収交渉をしただけで内定に至らなくなるケースもある。一方でどうしてもその人を採用したい場合は、多少の年収交渉をしても受け入れられる。
  • 外資系企業の場合は交渉した方がいい。日系企業の場合は、給与テーブルが年齢や役職で決まっている場合が多いため、交渉しても変わらない。
  • 複数の会社から内定を獲得している場合は、交渉した方がいい。採用企業側に、他の候補者がいる場合は交渉しない方がいい。
  • 実力・スキル・実績があるのに、現職もしくは前職での評価が低くそのまま転職先の評価になってしまう場合は年収交渉をする。
  • 交渉に足りうるキャリア・経験がある方の場合。もしくは相場より安く提示されたとき。根拠のない年収アップは印象がよくない。
  • ご家族がいる場合で事情があれば、交渉してもよい。それ以外は現状維持程でとどめ、交渉はしないほうがよい。
  • 希望するポジション、企業、将来性、退職金等も鑑みたときに、交渉可否が変わってくると思う。
  • 企業にそもそも柔軟性があるかどうか。大企業だと交渉の余地はないと感じる。
  • マーケットとの比較の上、市場価値が提示年収よりも高い場合はした方が良い。
  • 候補者が年収アップを強く望み、それが理にかなっている場合は交渉する。
  • 年収UPが第一優先の転職目的ではない場合は交渉すべきでない。
  • 年収アップのみが転職の条件である場合は交渉した方がいい。
  • 希望年収と著しく異なる場合は交渉した方がいい。

Q10年収交渉に関するエピソードがあれば、成功の有無に関わらず教えてください。

Successes
  • 業界を変えての転職にあたりご本人は希望年収を80万円下げての登録をされましたが、選考が進みご経験の市場価値が高いことがわかり、最終面接前に希望額を150万円あげて条件提示を依頼。希望額通りに内定提示が出ました。他2社からも同額で提示され、本人希望と市場価値は必ずしも一致しないと感じた。
  • 相当な自信家だった士業の求職者が内定、前職同額のご提示があったが120万円プラスで交渉し、その自信を買って…と了承いただいた。入社後、社内のムードメーカーとして企業からの信頼も厚く、喜んでいただけている。
  • 内定を出したその日に受諾するという条件で、年収150万UPを実現したことがあります。また現職年収が低いが前職年収が高い場合に、「少なくとも戻したい」という話をして300万円UPの交渉を成功させたこともあります。
  • 通勤時間が片道2時間の求職者。他に代わるスキルを持った人材がいなかったため、年収交渉と同時に会社持ちでアパートを探していただき、円満入社いただきました。
  • 本人の希望金額には達していたが、企業側がどうしても採りたい(逃げられたくない)候補者だということが話し合いの中で読み取れたので、15%UPで決定できた。
  • その候補者が入社することによりプラス1ではなく、どんなアドバンテージがあるか、または競合にどんなマイナス(影響)をもたらすかをプレゼンいたしました。
  • 転職すれば通勤交通費、時間外労働が減額となる場合があって求職者の手取りが減るので、その分を補填する形で年収アップをお願いし成功した。
  • 通常は正社員を望むが、シニアかつ外資系の場合、年俸に上乗せしてくれればあえて契約社員を選ぶケースもある。定年もなくなる。過去2年で2件あり。
  • 候補者が入社した際にもたらしてくれる企業に対してのメリットと、年収交渉によりアップする額を比較させる形で企業のトップに話し、ご納得いただけた。
  • 名古屋から東京へ引っ越してくる若い求職者のために交渉した際に、年収は上がらなかったが引っ越し代として30万円を認めてくれた。
  • 就職氷河期に入社した方で、能力はあるものの中小企業にて勤務された方が、大手企業の中途採用で大幅に年収アップした。
  • 年収の金額そのものを上げることは難しかったので、企業と相談し、初回賞与を寸志でなく満額保証にして入社いただいた。
  • 年収の上限が定められていましたが、他社のオファー金額を伝えた上で交渉した結果、職位、年収ともにアップしました。
  • ご家族の介護等で諸費用がかかる場合にて、企業の年収提示額よりプラス約100万円位あり。
  • 前職の給与水準がすごく低い会社で、200万円くらいのUPにて入社。とても感激いただいた。
  • 当該会社の人事制度より年収交渉は不可であったが、支度金にて対応いただいた。
  • 業務委託にて複数収入があったため、総合計で転職時の年収を交渉しました。
  • 異業界ではあったが、海外経験をもとに前職年収以上の提示をし成功。
  • 希望額に満たなかった際、各種手当で補完したケースがあります。
Failures
  • 企業の内定時の年収提示は、面接でのご評価や組織事情からはじめから当該企業で提示できるMAX金額の提示であることが多い。そこを交渉するということはリスクがあることを忘れてはいけない。実際に、内定取り消しに発展してしまったケースもある。もちろん企業様の対応が悪い場合もあるが、結果としてチャンスも失うことになってしまい、後悔されたミドルの方がいらっしゃいました。
  • 年収交渉はオファー面談で行うことを勧めていたが、ご本人が最終面接で交渉してしまった。その結果、不採用となった。
  • 年収交渉をやりすぎて内定取り消しになりかけることがあります。
Others
  • 総年収が変わらなくても月給の手取りが現職と比べて減る場合は、ご家庭の収支を伺い、生活が成り立たない旨を説明することがあります。
  • ご本人は150万円以上アップを希望していらっしゃいましたが、約100万円アップで奥様が賛同され、結果入社されました。
  • 本人は納得しているが、家族が給与UPを望むケースがある。家族の希望も配慮が必要。特に配偶者。
  • 年収よりも働き甲斐のある業務を提案することで、希望年収よりダウンしても入社された方がいます。
  • 外資なら年収アップ期待大。ただ将来的な安定性を長い目で見て、判断することが必要です。
  • 企業が直接、候補者にダウン交渉をしたことがありました。

Q11転職時に年収をアップさせたいミドルにアドバイスをお願いします。

  • 求人に応じて希望年収の提示はコンサルタントと相談したほうが良い。ただし、業界・職種に必要な資格、経験を保有し、それを書類にうまく落とし込んでいないとそもそも書類不合格になる可能性が高まるためご自身の転職市場価値についてはコンサルタントに相談をした方が良い。
  • 自分自身の強みはおおまかにではなく、ピンポイントで把握すること。実績からくる自信は、求める企業にとっては頼もしく、年齢制限よりも求められる傾向があります。何ができるのか、何が求められるのか、今以上の年収はもらえるか、を自問して転職に臨むこと。年収を下げても転職したいなどと伝わると、足元を見られて年収UPどころか内定も出にくい。自信のある実績、スキルで転職することを勧めたい。
  • ご自身の経験、スキルを解りやすく分類し、それが応募先企業にどのくらい貢献できるか見える化することが大事です。「○部長でした」、「△立ち上げました」では判断出しにくいこともあります。人脈含め個人の能力、技術をアピールすると良いかと思います。
  • ミドル層とはいえこれまで培ってきた経験・知見を活かし、ぜひともステップアップをしていただきたいです。そのためのファーストアプローチとして、ミドルの転職のレジュメの登録をより正確に細かくしていただきたいです。
  • 面接時に遠慮して低い希望を言い過ぎないことをおすすめします。 面接時に言っていたと低い条件を提示されるケースがあるので、本来ならもう少し出る可能性があったと感じる場合だともったいないです。
  • 新天地ではこれまでの価値がゼロリセットされると思ったほうがよい。希望年収は入社後に勝ち取るべきものという前提・スタンスで挑むと多くの企業から結果としてオファーが増えます。
  • 転職の目的を「年収UP」にするのは非常に危険です。どこかで判断ミスを起こします。スキルアップ、環境の変化とともに結果的に年収も上がる形が望ましいです。
  • 相場を調べた方が良いと思います。 ご本人的には、せっかく転職するなら収入を上げたいと思うのは理解できますが、求人企業側からしたら関係ありません。
  • 入社時の年収で判断するのではなく、入社後にどのような評価制度やキャリアアップがあるかの言質を取り、入社後の実績で年収をあげることを考えるべし。
  • 人材コンサルタントに依頼しているとはいえ、ご自身の言葉で実績を明確に伝えられるか、それが面接先のビジネスとリンクできているかが大切です。
  • 年収を上げたい場合は、具体的にいくらあげたいか・上げるための自身の強みなどが裏打ちできる内容をエージェントにしっかりPRしてほしい。
  • 日系企業の場合は現状維持か、少しダウンレベルからスタートするケースが多い。年収にこだわるならば外資系企業に応募すると良い。
  • 年収アップには、即戦力として貢献できる経験とアピールが重要となることから、一社で最低3年の実績がないと厳しいと思います。
  • 後出しじゃんけんは関係を悪くする一番の要因です 年収に対する希望があれば、事前にある程度提示すべき。
  • 年収をあげる価値があると理解してもらうために、志望度の高さ・キャリア・スキルをアピールしていくことが大切。
  • 現在年収が低い場合はその前の年収も伝え、そのレベルまで戻したいとの希望を申し出るやり方がある。
  • あくまで比較するのは市場との差になるので、それを意識して常に市場価値を高めることが大事です。
  • 今の仕事でもらっている年収以上の成果を挙げ、それを定量的に職務経歴書に記載してください。
  • 現在の年収からプラス5%程度を考える。大幅なアップは相当のポテンシャルがないと困難。
  • 自身の希望年収の最低ラインをクリアしていたら、即座に承諾をした方が無難です。
  • 面接評価も重要な要素となるので、面接の対策をしっかりして臨んでほしい。
  • ご自身で交渉するのではなくエージェントを通じてやった方がうまくいきます。
  • 年収の初年度だけでなく、5年後、10年後、退職金等を勘案してください。
  • 自分の価値を見せるため、副業など収入すべての合計額を伝えること。
  • 年収アップは、入社後のリスクもアップするということを十分に理解する。
  • これまでの実績をより具体的にプロセスも合わせアピールすること。
  • キャリアと資格等の棚卸をし、キャリアプランを明確にしておくべき。
  • エージェントに細かい情報まで開示することが大切です。
  • まずは内定、オファー面談で初めて交渉。
  • 謙虚な方ほど、年収UPになります。
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