転職コンサルタントの本音 各分野に精通する転職コンサルタントへのアンケートを集計!

54「転職が難しい人」について

アンケート実施期間 : 201867日 ~ 2018618日 / 有効回答数 : 122
面談を行った方のうち、3割以上は転職が難しい、という意見が半数超え。
本人希望と相場のギャップ、転職回数などがネックに。
日々、さまざまなミドルと接するコンサルタントに今回伺ったのは、「転職が難しい人」について。本人が希望しているにも関わらず、転職が難しい、とはどういった状況なのでしょうか。

まず、面談を行った方のうち「転職が難しい」と思うミドルの割合を尋ねたところ、「3割…36%」「4割…11%」「5割以上…12%」という結果になりました。6割近いコンサルタントが、「10名面談をすると3名以上は転職が難しい方」と感じていることになります。

転職が難しいと思う理由としては、「本人希望と転職市場での市場価値にギャップがある」が72%でトップに。次いで「転職回数が多い」が、64%で二番手でした。

このようなミドルに対してコンサルタントは、「転職しなくとも程々の人生が送れる事をお伝えする」「活動した上で、転職しないという選択肢もあることを忘れないでくださいとお伝えします」など、あくまでも無理な転職を勧めることはしないスタンスで接するようです。

その一方でどうしても転職を希望される場合には、「転職回数が多い理由をしっかり説明できるようにアドバイスする、志望度の高さ・熱意で穴埋めする」「自分の強みを明確にしてもらう。勉強して資格等を取得してもらう」などのアドバイスを実施しているとの声も聞かれました。

より詳細な「転職が難しい」理由についても、具体的なエピソードを交えてじっくり伺っています。ぜひご覧ください。

Q1面談を行った方のうち、「転職が難しい」と思う方は全体の何割ほどいますか?

Q2転職が難しい、と思う理由はどのようなものですか?

その他の回答
  • 転職する必要がない
  • ブランク期間が長い方
  • 会話のキャッチボールができない
  • 適合職種等がピンポイントで、別企業にて同ポジションを探すのが困難な場合

Q3「本人希望と転職市場での市場価値にギャップがある」とお答えになった方にお伺いします。
どのようなギャップが発生していることが多いですか?

その他の回答
  • 自己評価が高い(評価は他人がするものというのを忘れている)。
  • 自身のスキルを自覚しておらず、自分の思いだけで活動を行っている。
  • 売り手市場からか、転職すると給与が上がると誤解している。
具体的なエピソードをお願い致します。
  • 販売職を20年やってきた方(現職:店長)が、この先を考え事務職を希望。中途採用する企業は、基本その方のキャリアを買おうとしている。「もし、ご自身が店長として採用される場合、高い年収で未経験をわざわざ人材紹介で採るでしょうか?」と尋ねたら、納得された。
  • 特定の業界・職種(MR)で年収がやたらと高く、しかもその業界しか職務経験がない人の転職は難しい。一般の業界の給与水準が分からず、希望年収1000万円以上を求めてくることも少なくない。
  • 割と多いパターンですが、勉強が好きで自身も地頭の良さに自信を持っており、資格取得と年収アップを第一としてもっとハイレベルな仕事が出来ると思い、転職を繰り返す方が多いです。
  • 自身の希望のみを追求して転職に臨まれた方がいました。過去にこの方法で転職できた経験から、頑なに条件を曲げることなくアルバイト生活をしながら転職活動を継続されています。
  • 「いまこれがない、できない、だからここに行きたい」という話はするものの、そのギャップはどう埋めるのか、という点については転職先の会社任せというケース。
  • 給与市場がなかなか厳しい地方エリアで、年収を今より200万円くらい上げたいとの希望を出された。
  • 自分の実力ではなく、卒業大学、在籍企業のレベルで転職先を検討するケースがある。
  • 多くのスカウトを受けて、自身の実力を錯覚されているケース。
  • 40代になってしまうと未経験の仕事への応募は難しい。
  • 今が課長なら他の会社でも課長としていけると思っている。

Q4「転職回数が多い」とお答えになった方にお伺いします。
何回以上から「転職回数が多い」と感じますか?

具体的なエピソードをお願い致します。
  • 数年おきに転職していると、今回入社しても再び退職が考えられる。
  • 実際に転職回数が多い方の転職成功率が下がるのは確か。募集の段階で転職回数を指定してくる企業が多数あります。

Q5「人柄が転職に向かない」とお答えになった方にお伺いします。
どのようなケースが多いですか?

具体的なエピソードをお願い致します。
  • 他責で自分自身に問題意識がないため、何度転職しても同じ壁にぶつかる。しかし自分にも原因があると認めないためそこから脱することができず、転職回数だけ増えてキャリアダウンの転職になってしまっていったケースがありました。
  • 離職期間が数年と長くなっていらっしゃる方が、疑心暗鬼になり周囲に対して攻撃的になってしまっていたことがありました。
  • 過去の会社や上司の悪口を言う、自分のスキル・経験を面接で高圧的に話す方など。
  • 自己過信の傾向。また得意技や分野が絞れていない。現状打破の意欲がない。
  • 面接に遅れたにも関わらず、謝罪をされなかった方がいらっしゃいました。
  • 面接時に現在の会社を辞める理由を述べなかった人がいます。
  • 現職の業務フローなどに固執する。

Q6「現職企業での就業期間が短い」とお答えになった方にお伺いします。
現職での就業期間がどれくらいだと、短いと感じますか?

その他の回答
  • 理由が納得のゆくものなら、就業期間が短いことは不利にはなりません。最近実際にあったケースでは、ある地方都市の方が機械商社の経験が長く、同じ業界の転職先を探して活動したものの半年経っても見つからず、諦めて機械メーカーに就職しました。が、半年後にズバリの機械商社の求人が出て、ご案内。決意して転職にチャレンジしたところ、見事に採用が決まりました。求人企業も事情を理解して、高い評価でした。
具体的なエピソードをお願い致します。
  • 転職理由は親の介護などによるもので、どうしようもないものではあるが、過去在籍各社の勤続年数が1年~2年以内と短かかったため、どのようにサポートしていったらいいか悩んだ。
  • 直近で3社を全て3ヵ月以内で退職している人がいました。それなりの理由でしたが、書類選考が通過しませんでした。

Q7「転職理由がネガティブである」とお答えになった方にお伺いします。
どのようなネガティブな転職理由が多いですか?

具体的なエピソードをお願い致します。
  • 面談時、非常にネガティブで暗い雰囲気があり、経歴は良く書類選考は通るが面接で落ちてしまうだろうという方に度々お会いします。
  • 前の会社を辞めた理由が現実離れした内容で、且つ自責の念を感じられない。
  • 世間・企業の一般常識に不満不平を感じている。

Q8「大手企業・安定企業勤務」とお答えになった方にお伺いします。
どのようなケースが多いですか?

具体的なエピソードをお願い致します。
  • 某大手電気メーカーで海外法人役員(財務)をされている方の転職サポートをしました。外資系化学メーカーを志望され面接となりましたが、同時に学力テストがあることをどうしても受け入れていただけず、結局選考は実施されませんでした。看板で仕事をされている典型でしょう。
  • 大手企業にいる方は特にその環境での基準で仕事を判断する傾向がある。中小企業での面接での質問の際に「今の会社は~ですが、御社ではどうですか?」などの質問をして、結果として評価を得られなかった。
  • 大手在籍だが年功序列で給与が上昇しただけというケース。転職して他で活躍できる経験、スキル、汎用性がないのに、希望は高い。
  • 大手出身で年収の高い方が、地方での転職を希望。市場相場の状況をなかなか受け入れていただけなかったことがあった。
  • 現職が大手優良企業のため、面談時に今は転職のタイミングでないことを伝え、現職でもう少し頑張るよう促した。
  • 大企業で1社経験の方は、福利厚生も含め同水準を求めるため転職が難しくなる。

Q9その他、「転職が難しい人」にまつわるエピソードがあればお書きください。

  • 実家暮らしの40代の方。経済的に逼迫していないからか、実力はあるのに新しい現場になかなかなじめないというだけで早期退社。
  • エージェンシーで活躍されていてその経験を事業会社で活かしたいという方は失敗するケースが多いと感じます。
  • 転職時の年収がかなり高いと、なかなか転職がうまくいかないことがある。
  • 配偶者、ご家族の意見に惑わされる。
  • 通勤時間15分以内を希望。

Q10自身が「転職が難しい」状況かどうかを見極めるには何をすればいいと思いますか?

その他の回答
  • 客観的視点を持って振り返る考え方を持つことをアドバイスしている。
  • 当事者が冷静に判断することは難しい。

Q11「転職が難しい人」に出会ったとき、どんなアドバイスをされますか?

  • 転職回数が多く、結果在籍年数が浅くなってしまった方は、スキルや熱意で勝負をかけていくことが大事であると伝えています。転職回数はそうなってしまった以上、減らすことも出来ません。ですから転職の理由が明確であったり、志望度の高さ・熱意で穴埋めするしかありません。転職回数が多い理由をしっかりとした理由で説明することが出来るように、アドバイスしています。
  • 「あれもこれも叶えたい」は難しいため、希望や条件に対しては優先順位をつけることをアドバイスします。あとはなぜ難しいかをしっかり伝えるようにします(市場・年齢・キャリアなどなど、実数やデータ、実績などからお伝えしていく)。
  • 難しいと思う理由をはっきりと述べます。難しいと考える根拠は、希望する求人の職務内容とその方の経験内容とのギャップであり、キャリア的にどれぐらいのステップが足りないのか、いま仮にそこに行けたとして戦っていけるのかを詳しく話します。
  • 「転職は正直難しい」とお伝えして、現職に残る可能性の有無を探る。それでも転職を希望される場合はレジュメ(職務経歴書)において、都度の在籍企業でやってきたことをできるだけ詳しく記述するよう伝える。
  • 「キャリア・スキルは大いに活用をしなければなりませんが、過去の在籍企業の看板は忘れてください。また、仕事の進め方は各社違いますので、その進め方に合わせるよう努力してください」と伝える。
  • まずはその方のキャリアやポテンシャルを確認し、且つ転職理由を確認。短期・中長期の展望も踏まえて、人生設計の立案を提示。転職しなくとも程々の人生が送れる事をお伝えする。
  • ご自身の能力と経験を今一度見直して「転職してやりたい事・実現したい事」と「自身でできること」を整理して考えていただく。また、企業や人に誠実であって欲しいと伝えます。
  • 一般的に求人企業が求めていることを、どれくらいできるのか、対応できるのかをやや厳しく問いかけ、自身のスキルとギャップを知ってもらうようにしている。
  • 何故転職したいのか?転職における意義をしっかり設定すること。この点を踏まえた自身の棚卸しと進むべき現実的な方向性を定める必要を伝える。
  • 早期退社は今後のキャリアに傷がつくので、就職する際には慎重に考えて、とお伝えする。また就職したからには3年間は頑張るように、ということも伝える。
  • 職務経歴書作成において詳細をアドバイスし、完成までガイドすることで、ご自身の価値を客観的に認識いただく。
  • 転職において考えられるリスクを伝え、現状と転職により実現したいことをもう一度熟考していただく。
  • スキルと経験の棚卸を徹底して行い、自分のキャリアプランを自分で見出していただきます。
  • 多くのコンサルタントと会って、相性の良い相手を探した方が良いですよ、と話しています。
  • 活動した上で、転職しないという選択肢もあることを忘れないでくださいとお伝えします。
  • 今のお勤め先で職務経験を増やし、深めて職務経歴書を充実させるようアドバイス。
  • 希望している企業に応募していただき、返ってきた評価をそのままお伝えします。
  • 周囲の方々からの評価などを冷静に分析するようにお伝えいたします。
  • 自分の強みを明確にしてもらう。勉強して資格等を取得してもらう。
  • いろいろ経験して現実を見てもらう。覚悟を決めるようにと伝える。
  • 本当に転職をされたいのか本気度合を確認する。
  • 現企業で活躍し、成果を上げるべきと伝える。
  • 現職の社内の人事制度を再確認してもらう。
転職先がご決定されたみなさまへ
毎月50名様にAmazonギフト券5,000円分をブレゼント!
転職先情報の入力へ
転職コンサルタントの本音「「転職が難しい人」について」毎月1000人の転職コンサルタントのアンケートを集計。コンサルタントに中途採用の実態を調査。採用活動などから転職成功へのヒントをご紹介。