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33「年収1000万円以上の転職の実態」について(2016年版)

アンケート実施期間 : 2016823日 ~ 2016829日 / 有効回答数 : 106
年収1000万円以上のポジションの募集理由は『既存事業の拡大』。
課題や目標を設定し、周りを巻き込んで動かす力がポイントに。
年収1000万円を超えるポジションに多い職種や募集背景にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は「年収1000万円以上の転職の実態」について、人材紹介会社のコンサルタントに伺いました。

年収1000万円以上のポジションで多い職種は『経営企画・事業企画』(49%)、『経営者・COO・経営幹部』(47%)、『経理・財務・会計系』(32%)という結果に。

その募集理由として一番多いものは『既存事業拡大を目指したスペシャリストの募集』(55%)。『上場を果たした急成長企業が、内部(管理)体制構築が追いつかずに外部から人材を採用する』『外資系企業を部門ごと買収したため、ヘッドクォーターとして全体を管轄するポジションが必要となった』などというエピソードも紹介されています。

年収1000万円以上のポジションで決定する求職者に共通している仕事の能力として多く挙げられているのは、『問題意識に基づき、課題や目標を設定する能力』(52%)、『自分の見解やビジョンを周囲に伝え、動かす能力』(45%)の2つ。

今後の自社の成長に向けた事業の拡大や経営を担うために、自らの専門性を活かしながら組織を動かし、成功に導くことが求められていると言えそうです。

Q1昨年と比較して、年収1000万円以上のポジションの採用は増えていますか?

Q2年収1000万円以上のポジションを採用することが多い企業の特長を教えてください。

その他の回答
  • ニッチな業界にある企業、大企業ではない。
  • 事業継承フェイズ。

Q3年収1000万円以上のポジションに多い役職を教えてください。

その他の回答
  • マネージャー(課長)クラス。
  • 免許や資格取得者が増えている。

Q4年収1000万円以上のポジションに多い職種を教えてください。

上記の職種が多い理由を具体的に教えてください。
経営企画・事業企画と答えられた方の回答より
  • 経営層に近い職種だったり、高度な折衝が求められる職種は伝統的に高めどまりであるため。
  • 専門知識や組織・プロジェクトマネジメントの高い能力と実績が求められる職種なため。
  • 企業体質強化の施策にプロフェッショナル採用が増えている。
  • 新規事業部参入の企業(特にベンチャー)が多いから。
  • 経営およびマネジメント人数に比例するため。
経営者・COO・経営幹部と答えられた方の回答より
  • 元々給与水準の高い業種において、業績好調の背景から中途採用そのものが増えている点と、優秀人材には内定が集中することを事前に見越した企業が、中途人材募集時において当初より高めの報酬設定をする企業が増えた点がある。
  • JV部門責任者や海外拠点社長など、重責を担う業務は、「一法人の浮き沈みに関わるポジション」であるため、相応の待遇が必要になる。
  • 会社の幹部系に対する対価と、インセンティブのつく職種であるため。
  • そのポジションの最終責任者の為。
  • 会社の経営に近いキーマンとしての募集のため。
経理・財務・会計系と答えられた方の回答より
  • グローバル化に対応できる人材を外部から求めるため。
  • 次世代の管理職候補・幹部候補の採用。
  • 期待役割の難易度が上がっている。
営業系と答えられた方の回答より
  • 体制の強化を図る上でマネジメントを含む高い能力・経験(含む高い語学力)を持った即戦力要員を必要とするケース。
  • 新たに販路を拡大するため。 海外営業の英語や中国語の上級者を確保のため。
  • 営業系はインセンティブボーナスがあるため。
金融系専門職と答えられた方の回答より
  • 証券であれば、富裕層リテール営業エキスパート、投資銀行ディレクター以上、不動産投資であれば、アセットマネージャーの優秀な方は年収が高い。
  • 高い専門性 グローバルな展開事業も多いので、専門性+語学など他の職種より 優秀層を必要としている。
  • 業界の平均年収が高めのため。

Q5年収1000万円以上のポジションの求人で多い年収帯を教えてください。

Q6年収1000万円以上のポジションの募集背景を教えてください。

その他の回答
  • 更迭人事・退職補充。
  • マネージメントポジションのリプレース。
  • ブランド力強化。
  • それまで居た人が居なくなって、というパターン。
  • 幹部人材のリプレイス。
  • 企業再生、グローバル化。
  • 入れ替わり。
上記について、具体的なエピソードがあれば教えてください。
既存事業の拡大を目指したスペシャリストの募集と答えられた方の回答より
  • 急成長で順調に上場を果たしたが、上場会社として耐えうる内部(管理)体制構築が追いつかず脆弱であり、既存社員では早期体制構築・強化ができないことから外部人材を活用・登用したいと相談された企業があった。
  • 技術系であれば自動運転、安全運転のニーズが非常に高まっているため、開発部門強化のため、急募のポジションがある。
  • 海外勤務経験が長く、海外弁護士などとのヒューマンネットワークがある知財人材は日本企業メーカーには必要で給与を出す価値があるケースが多い。
  • 大手投資銀行にて外資の部門毎を買収した為、ヘッドクォーター(本社)として全体を管轄するポジションにて幾つか依頼があった。
急成長企業における経営・役員層の強化と答えられた方の回答より
  • IT系ベンチャー企業の業績拡大における、経営層の強化に伴う募集や、M&Aの増加に伴う役員層の充実など。
  • M&A後のPMI要員としての採用。 買収先企業の社長は留任させても、ナンバー2として管理する人を送り込み、自社のカルチャーを浸透させようとするケースがときどきあります。
    ※採用した人物を半年から1年程度本社に置いて自社の流儀を覚えさせ、その後、買収先企業に送り込むという意味です。
  • 輸入雑貨を販売する企業経営者は、業績好調につき多忙を極めていて、実務経験の豊富で従順な参謀役の役員を欲していました。
  • 上場にあたり経営陣の強化や新規事業展開による子会社の代表募集。
業績好調に伴うマネジメントポジションの増員と答えられた方の回答より
  • 新規事業拡大におけるマネージャー層の不足を補強するため。既存マーケットの拡大に伴い、組織拡大に対するマネジメントポジションの増加があるため。
  • 外資系B2Bの主に製造業の業界で欧米に本社を置く会社において、そのビジネスを日本に浸透させ事業を拡大する際の、外資系畑できている経験豊富な社員の募集。
日本国内における新規事業や新拠点の立ち上げと答えられた方の回答より
  • ベンチャー企業が目まぐるしく新規事業責任者を募集している。
  • 既存の海外店は現地化が進んでいるが、内外への新規事業はそれなりに活発のため募集がある。
海外における新規事業や新規拠点の立ち上げと答えられた方の回答より
  • 大手メーカーの海外事業戦略の責任者として、海外事業開発経験および、コネクションを持つ即戦力人材を募集。(想定年収:1000万円~1500万円)
  • 海外進出に伴う貿易部門の立上げで、その責任者としての採用で、 57歳の方が1000万円で採用された。
  • 東南アジアなどの強化と立て直しのため。
事業承継による世代交代と答えられた方の回答より
  • 社長交替による、CTPとCFOを兼務されていた方がCFOのみに、新たにCTOを募集することになった。
  • 10年前からオーナー社長の後継者問題があったが、事業拡大・売上・利益拡大等、目の前の業務に集中するあまり社内での後継者育成が全く進まず、結果外部から人材を登用する計画に変更された企業があった。
その他と答えられた方の回答より
  • 企業再生にともない、再生機構が引き上げた後を任せられる人材を募集する場合。急速なグローバル化に社内人材が対応できない場合。

Q7年収1000万円以上のポジションで決定する求職者に、共通する仕事の能力を教えてください。

その他の回答
  • 技術スキル(具体的キーワード)。
  • 新規顧客を導入して、新たな収益を計上。
  • その職種、業界知識に富んでいること。
  • 極めて高度な専門的知識。
  • 成果を出し切るまで行動を継続できる能力。
  • 非常にニッチな設計経験で、かつ経験が大規模物件。なおかつ独占業務を有する資格を保有している。
  • 深い技術力。
  • 長期間に亘る専門性の高さ。
  • 経験・実績。そしてそれを活かす能力。

Q8転職を検討されている年収1000万円以上の方に、アドバイスをお願いします。

  • 高い年収レンジのポジションは、その多くが年収同様に高いパフォーマンスと結果が求められがち。早期に結果を出せなければ、減俸・解雇という場合も。(特に外資系)また、コンサルファームなど、年収は高いが激務であり残業時間もかなり多い、というケースもあるので、自身のキャリアをしっかりと考え、事業内容・業務内容・社風などをきちんと確認、吟味の上、転職をした方が良い。
  • 年収は経験・スキル相応に評価される部分なので、過去の実績や経験を簡潔にかつ印象的に話せるように面接対策していくことが必要不可欠です。プレゼン能力や説得力という点も重要視され、さらに今後のポテンシャルを含めたリーダーシップ能力なども選考を左右する要素となりますので、しっかりと自己分析をする必要があります。
  • 外資系企業の転職で1000万円以上の年収を目指す方へのアドバイスとなってしまいますが、本国のカルチャーと日本独自の文化の両方をビジネスを遂行する上でいかにバランスよくマッチさせ、利益拡大に貢献できるか、という点を実行できている方々が1000万円以上のプレーヤーには多くいらっしゃるのだと思います。
  • ご自身がこれまで何をどうして来たかというキャリアも大事ですが、そのキャリアを活かし、アプライする企業へ具体的にどのように貢献できるかを印象づけることが大切だと思います。ここを企業側へ伝えるのが人材エージェントの仕事でもありますが、ご本人がそれを説明できるかどうかで合否が分かれます。
  • 転職市場の同行としては若手中心だけでなく専門特化したスキルを求めていらっしゃる企業様が増えております。その際に重要となるのがご自身のご経験の棚卸と展開可能なスキルの整理かと思います。この部分が明確な方がハイクラスの転職を実現されているように感じます。
  • ご自身の経験に自信をお持ちの方が多く、面接場面でも「自慢話」「上から目線」「横柄な態度」「長話」をしてしまい、NGになるケースがあります。あくまでも紳士的態度で、上に行けばいくほど、頭低く謙虚な態度で面接に臨んでいただきたいと思います。
  • その道のスペシャリストであったり、あるいはスキルを身に付けている方は安易に転職をせず(年齢にもよりますが)、まずはその道で経験をしっかり積んで(最低でも3~5年)、その上で転職活動をするとより採用率が上がると思います。
  • 前職の方の後任ならば、基本的には業務の引き継ぎに重点を置き、既存事業の拡大ならば、現状をよく踏また上で、これまでの経験を活かして、さらに何かをプラスアルファして発展させようとする心構えが大切だと思います。
  • 柔軟な思考や行動ができるかどうか判断される企業様が多く感じます。「やってきたこと」だけをアピールするのではなく、次の企業でどのように貢献できるか具体的に伝えることが、ミスマッチを防ぐのではないかと思います。
  • 外資の場合は、ビジネスレベル以上の英語力ときちんとしたロジックをもってプレゼンテーションをする能力が求められますので、そのあたりの訓練を国内企業の方は、されておかれたほうがよいと思います。
  • 好機は逃してはなりませんが、じっくり転職先や業界動向を確り調査する努力は怠ってはなりません。似た業界ならばよいのですが、不利な業界に飛び込む愚は避けてください。
  • 社内人脈、関連部門とのつながりがなくなっても、自分の能力、ポテンシャルを発揮できるだけのバイタリティとリーダーシップがあるか、をしっかり自覚する必要がある。
  • 大手で勤務年数や役職で1200万円相当給与を得ているだけでは内定は貰えない。進取性、協調性、そして何ができるのでなく何をしてきたかがある人が転職できる。
  • ポータブルスキルをいかに高くできるかがポイント。英語力、数字に強い、人脈等をつねに磨き続けることが重要です。
  • ジェネラリストでは無く特定職種のプロフェッショナルを目指して下さい。
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