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105「ミドルの転職後の年収」について(2025年版)

アンケート実施期間 : 2025226日 ~ 202534
有効回答数 : 214
「転職で、年収が上がるミドルが多い」と回答したコンサルタントは85%→87%に微増。
続く物価高、賃金上昇の影響あり。年収増の鍵は「専門性」「マネジメント経験」他。
今回は「ミドル層の転職後の年収」について、コンサルタントに伺いました。

「ミドル層の転職で年収が上がる人が多い」と回答したコンサルタントは87%にのぼり、昨年の同様の調査結果(85%)とほぼ同水準であることがわかりました。

年収が上がりやすい職種としては「経営・経営企画・事業企画系」が挙げられ、業種では「IT・インターネット」が最多となりました。「建設・不動産」業界では、昨年度比で9%の上昇。慢性的な人材不足を背景に、売り手市場の色合いが一層鮮明となる結果となりました。

さらに、ミドル層の決定年収の平均について、今後「上がる」と予想したコンサルタントは60%に達し、そのうち「51万円以上」の上昇を見込むと回答した人が最多の3割程度を占めました。続く物価高騰や新卒採用時の年収アップに伴い、賃金ベースの引き上げが進む中、さらなる年収アップの鍵は「スキルや専門性、マネジメント経験の有無」にあるとの声が多く寄せられました。

このほか、年収交渉が決定年収に与える影響や、年収アップにつながるキャリアの積み方についても詳しく伺っています。ぜひ、詳細をご覧ください。

Q1
ミドル層の転職者は、転職後に現在よりも年収が上がる人と下がる人ではどちらが多いですか?

※設問によっては、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。

Q2
ミドル層の転職者の年収が上がる際には、どのぐらい年収が上がる人が多いですか?

Q3
ミドル層の転職者で転職後に年収が上がるのは、どのような職種の人が多いですか?

その理由を教えてください。

経営・経営企画・事業企画系
  • 経験値が高いのと、業務遂行能力が高いため
  • 事業推進力があるプレイングマネージャーなどを各社採用したいため収入面を一定以上上げることで採用を容易にしたい意向がある。
  • 組織強化に伴う増員(もしくは欠員補充)を理由に外部からの知見を有している企業が多い印象
  •  
営業・マーケティング系
  • 売上を作れるポジションであれば、○○円売上を作るから年収を上げてほしい。という交渉ができる。
  • 労働集約系の職種や売上や利益を上げていけるポジションに関しては、経験がハマっている企業や業界への転職の際は年収が上がっている印象です。
技術系
  • 経験・スキルが明確であり、応募企業での実績、貢献度合いを測りやすいため。
  • 建設業界では深刻な人手不足の状況になっているので資格を持っている方や経験豊富な方は重宝されるため。
  • 品質保証や生産管理などの経験がしっかりあっても会社業績が悪く年収低い方がいらっしゃり、転職を機に年収アップが図れる場合がある。
  •  
コンサルタント系
  • 転職市場においては経験者が少ない業界のため、できるだけ希望年収に応じた提示がなされることが多いように思われる
  • コンサル業界は優秀なコンサルが多ければ売上向上が見込まれるため、人材争奪戦が行われているためです。
事務・管理系
  • 特に年次決算経験が必要な経理職で年収UPが図れるチャンスが多い。需要と供給のバランスが要因。
  • 実務の評価がある程度明確な職種であるため

Q4
ミドル層の転職者で転職後に年収が上がるのは、どのような業種の人が多いですか?

その他の回答
  • 勢いのある業界・企業

その理由を教えてください。

IT・インターネット
  • エンジニア採用困難が続いているため
  • ITはPMなどひっぱりだこで、給与を吊り上げる要因になっていること
  • 今現在の求人母数が多く企業が良い人財を採用したいと取り合いになっています。
    ITやDX関係の施策を対応できる方についてはメーカー側でもニーズがあり、ある意味求人を求職者が選べる立場になっています。
  •  
メーカー
  • 比較的、財源に余力のある業種であるため
  • 外資系企業が国内企業より年収が高いため
建設・不動産
  • 資格、経験、実績、コネクション等の経験者は市場にも人が少ない中で、ポジションの急募度合はどの企業も高く、条件があがっている業界であるため
  • インフラ更新事業や新規プロジェクト、再生可能エネルギーなど新しい事業領域では人材不足が続いて、転職者有利な売り手市場が続いているため、年収交渉がかないやすい。
  • 慢性的な人材不足と施工管理技士の国家資格者がいないと、受注した工事が出来ないため。
    ※国土強靭化計画と国も40~50年経過した道路、水道、トンネル等、リニューアルしないと危険なため、延々と工事は続きます。(5年サイクル点検義務)
  •  
コンサルティング
  • コンサルタントファーム業界は、自社採用に力を入れている現状がある。
    背景には、コンサルタントファームはキャリア形成の中でステップアップとして考える傾向が益々強くなり、2~3年タームで転職する。そのため、定着率の課題がある。
    一方、転職者からするとコンサルタントファーム業界の魅力が落ち目の傾向がある。現在、MBAやグローバル大学への進学(リカレント教育)が進んできており、コンサルタントファーム業界でのキャリア形成が魅力に映っていることが少ない。
  •  
上記以外の業種
  • インフラ建設、エネルギー業界を担当していますが、インフラ更新事業や新規プロジェクト、再生可能エネルギーなど新しい事業領域では人材不足が続いて、転職者有利な売り手市場が続いているため、年収交渉がかないやすい。
  • メーカー, 流通・小売・サービス, 商社では、コロナ禍明け後のリバウンドニーズはまだ収まっておらず、購買意欲の高まりが続いているため
  • ヘルスケア業界は他業界よりも年収上げて転職の文化が色濃いと感じる
  •  

Q5
ミドル層の転職者で転職後に年収が上がるのは、どのような役職の人が多いですか?

その理由を教えてください。

「経営者・役員, 本部長・事業部長クラス」と答えた方より
  • CxOクラスもしくはスペシャリストとしてのスキルや経験をお持ちの方は年収が上がっている印象です。
  •  
「本部長・事業部長クラス, 部長・次長クラス」と答えた方より
  • 若手や経営者の右腕になっていってほしい人材のため
    会社の方針やエンゲイジメントなど価値観が合う人と出会えないため
  • 経営層に近いポジションほど度外視してもらえるため
「部長・次長クラス」と答えた方より
  • ベテランの資格持ちは貴重な人材であり、どこも優秀層として欲しがっているので
  •  
「課長クラス, 主任・係長クラス」と答えた方より
  • 即戦力採用を前提としているところが多く、10~15年程度の社会人キャリアを積んでいる方が対象となるため。
  • このクラスの人材が不足していると思うから
「課長クラス」と答えた方より
  • 部長以上では前職給与が高く、入社後のパフォーマンスにより上昇
    課長クラスはプレイングマネージャーのため、期待値を込めて上昇
  •  
「役職なし」と答えた方より
  • スペシャリストとしての採用が多いため
  • 管理職者は転職前からある程度の給与をもらえている可能性が高いと感じているため。

Q6
ミドル層の転職者で転職後に年収が上がるのは、どのような年齢層の人が多いですか?

その理由を教えてください。

30代後半(35~39歳), 40代前半(40~44歳), 40代後半(45~49歳)
  • 中堅層にあたる30代~50代手前は年収が上がっている印象です。
    特に就職氷河期世代にあたる40~50歳前後の年代は市場に少ない分、また、各社いない年齢層の分、経験が豊富な方は引っ張りだこの印象です。
  • 50代以降は現状維持ベースと考える企業が多いが、40代までであれば長い期間働いて貰えるため、年収を上げたいと考えている企業が多い。
40代前半(40~44歳), 40代後半(45~49歳)
  • スペシャリスト、マネジメント層でのオファーが期待できる経験を持っているケースが多い年代。まだまだ現役で活躍が期待できる年齢層。
  • 40歳前後は人生のスキルをほぼ確立できる立場であり、これからの社会を作っていく原動力となっている。そのために給料も高い。
40代後半(45~49歳), 50代前半(50~54歳)
  • ある程度実績をあげた経験がある人向けにスカウトを打って、評価が上がるイメージ
  •  
50代後半以降(55歳~)
  • 長年のご経験からくる「ノウハウ」が重要なため
  •  

Q7
ミドル層の転職者は、どのようなケースにおいて転職後の年収が上がることが多いですか?

その他の回答
  • 大手メーカーから地場メーカーへの転職
  • 同業大手への転職が成功した場合

Q8
ミドル層の転職者で転職後に年収が上がる人は、どのような点を評価される傾向にありますか?

Q9
ミドル層の転職者の年収が下がる際には、どのぐらい年収が下がる人が多いですか?

Q10
ミドル層の転職者で転職後に年収が下がるのは、どのような職種の人が多いですか?

その他の回答
  • 年収が下がったケースはない
  • 職種というより、首都圏⇒地方の転職は年収が下がる場合が多いです。(求職者も理解している)

その理由を教えてください。

事務・管理系
  • 管理部門系は大手や上場企業の年収水準と、IPO準備や非上場企業とは給与水準が合わない印象です。また、企業規模によって必要になるスキルセットが違う分、即戦力としての転職が難しい印象であり、年収が下がるケースが多いと感じています。
  • 役職が詰まっており、配置できる役職が下がったり、社内のルールが転職前と異なるため、勉強期間という位置づけで下がる傾向を感じます。
営業・マーケティング系
  • 営業・マーケはすでに年収が市場の平均より高いケースが多いので下がってしまう場合がある。
  • 営業職で一部収入をもらいすぎている事例があります。会社の規定が異なると下がります。
    例えば全国転勤の人がそれ前提でもらっている給与をエリアを絞るなどよくある事例です
  • インセンティブ制度の有り無し、商材単価などの兼ね合いで、理論年収が下がった形での内定になる事が多いです。
  •  
その他
  • サービス系は下がったとしても、年収は希望条件より下にある方が多く、他業界に行きたい人や、ワーク・ライフ・バランスを整えたい方が多い気がします。
  • 金融系はコミッション率が高い職種であれば当初は初期補給があるものの基本的には初年度は下がる傾向。サービス業は現場を知るために当初ステップダウンの転職が多いため
  • コンサルやPE、外資系IT企業から事業会社に行く場合など、前職の業界給与水準が高い場合に下がりがち
  • 技術系職はもともと残業手当が多くワークライフバランス改善を求め残業が減ることで収入も減るため

Q11
ミドル層の転職者で転職後に年収が下がるのは、どのような業種の人が多いですか?

その他の回答
  • NGO団体
  • アウトソーシング系
  • 団体/組合

その理由を教えてください。

メーカー
  • 年功序列で高くなっていたところが他のメーカーに移ることを希望されるがメーカーは採用しても40代までなので、中小か技術者派遣にいく印象。
  • 大手で役職定年を迎える年齢になると、年収が下がっても転職を決定されることが多い。
  • 給与テーブルが固定されているケースが多いため。
  •  
流通・小売・サービス
  • サービスや接客など目に見えにくい業種が多いため、また無形商材で過去実績が評価しにくいため
  • 業界自体の利益が多くないので人件費に反映しにくいため
上記以外の業種
  • 儲かっているコンサルティング、金融・不動産、IT系以外はまだまだ給与水準が低い印象です。
  • 特に外資系ITセールスの場合は年収が高すぎてどこに出しても年収は下がるし、そもそも年収と求められる経験の期待値がアンマッチとなることが多い
  • 建設・不動産は商材の単価が高く、他業界に比べインセンティブ等の割合が大きいため
  • 比較的規模の大きな企業で役職定年や定年になる方が中小に転職するケースや、事業会社からNGO団体に転職するケース

Q12
ミドル層の転職者で転職後に年収が下がるのは、どのような役職の人が多いですか?

その他の回答
  • 年収が下がったケースはない

その理由を教えてください。

「経営者・役員, 本部長・事業部長クラス」と答えた方より
  • やはり現年収が高すぎて、それに見合うポジションがない人が年収が下がるため
  •  
「部長・次長クラス, 課長クラス」と答えた方より
  • 部長クラスは等級を下げてのオファーになりやすいこと、課長クラスは転職先でいきなり課長を任せるということは稀で課長候補として入社することからです。
  •  
「主任・係長クラス」と答えた方より
  • 過去の実績が少なく、仕事を実際してもらわないと評価しずらいため
  • 特別なスキル感が薄く、人物的な面で採用したいという状況のため
「役職なし」 と答えた方より
  • 役職をお持ちの方はスキルと経験が豊富なこともあり、上がる可能性はあるがミドル層で役職なしの場合だとスキル面がないと年収が下がる可能性があると思ったから。
  •  

Q13
ミドル層の転職者で転職後に年収が下がるのは、どのような年齢層の人が多いですか?

その理由を教えてください。

30代後半(35~39歳), 40代前半(40~44歳)
  • 家族との時間を大切にしたいということで働き方を理由に転職活動をする場合、現職よりも残業時間が緩和される分、年収が減るイメージがあります。45歳以降については子供が大きくなっていることも多く、家族との時間を理由に働き方を改善という転職理由はあまりない気がします。
  •  
40代後半(45~49歳), 50代前半(50~54歳)
  • 部長以上に多い年代である。給与が下がってもいいので自分に合った職場環境を求めるため
  •  
50代前半(50~54歳), 50代後半以降(55歳~)
  • 30代~40代は、ライフスタイルにより現在年収を下げて転職する意向は低い。一方、50代は、退職金などの預貯金やローンの完済に余裕があるため、資金より自己の生きがいである「仕事のやりがい」「老後の人脈形成」に時間や環境変化を求める。
  • 大企業での採用は皆無で中小企業に移る場合が多い。役員採用になるような場合以外は下がることが多い

Q14
ミドル層の転職者は、どのようなケースにおいて転職後の年収が下がることが多いですか?

その他の回答
  • より安定的な就業環境を選択する場合。
  • 中小企業から中小企業
  • フリーランスから再雇用
  • 現在年収が高い場合

Q15
年収交渉を行ったことで、転職後の年収がアップしたケースはどの程度ありますか?

Q16
今後、ミドル層の転職者の決定年収の平均は、どう変化すると思いますか?

Q17
Q16で「上がると思う」と回答された方にお伺いします。
どのくらい上がると思いますか?

その理由を教えてください。

~10万円
  • 物価高が進んでいるため、企業もベースアップするところが多い。そういった中で、専門性を持った人が更に年収を上げた転職に成功すると思う。
  •  
11~20万円
  • インフレ傾向なため新卒採用年収と多少は連動して上がる可能性が高いと思う
  •  
21~30万円
  • 新卒年収アップを上がっている事もあり、今後他の年代の年収も上がっていくかと思います。特に若手を育てるという意味では経験が豊富なミドル層のニーズは上がっていくかと思います。
  • 採用難易度があがるため。金額については、月額数万円から上がるのかなと思う。
31~40万円
  • 時代の変化で、スキルがある人にはより高い給与を払ってでも人の採用をしていく流れはどんどん加速すると考えられる。
  •  
41~50万円
  • 転職をお考えの方は年収UPを目指している方がほとんどで、私が求職者側で担当をしていた時は年収を平均50万円上げたい方がほとんどであったため。
  •  
51万円~
  • ミドル層の定義を30代~50代とすると、物価高および人件費の高騰と比例して~100万円までのアップは通常の範囲内で上昇が見込めるため
  •  

Q18
どのようなキャリアを積んだ人が、年収アップを実現できると思われますか?

  • 企業には社内規定があり、また周りの人とのバランスがあるので基本的には年収アップは思ったほどは無いと思います。あっても少しです。ただ、他者を巻き込んでの仕事や社外の組織を動かしての仕事などリーダーシップを必要とする業務を行ってきた方は年収アップしているように思います。
  • ・エンジニアで所定の技術が、転職先で求められるようなケース。
    ・メーカー経験者で所定の製品知識が、転職先で求められるようなケース。
    ・プロジェクトマネジメントやプロジェクトリーダーがこなせるような管理スキル経験者(自社内の役職というより、クライアントワーク系)
  • 愚直に仕事をしてきた方で、マネジメント希望や、経験の集大成として役職に就きたいという、実績と意欲がある方
  • ジェネラリストではなくスペシャリストのキャリア。もしくはマネジメント実績が豊富であり再現性があること。
  • 高い英語力がある方、APACと対等に交渉ができ日本のビジネスを的確に海外にレポートできる方
  • ちゃんとChatGPTを使って仕事をしていく人が伸びると思います。
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