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10「ミドル人材の転職回数と転職成功の可能性」について

アンケート実施期間 : 201485日 ~ 2014820日 / 有効回答数 : 135
企業が転職希望者を評価するポイントの一つとしてあげられる「転職回数」。ミドル人材の採用にあたって、企業は転職回数の多さをどのように捉えているのでしょうか。採用コンサルタントに伺いました。

ミドル人材の転職回数は「2回」までなら気にしない:90%
転職回数の多さを補うには「高い専門スキル」「キャリアの一貫性」が必要
「1,2回の転職回数なら気にしない企業が多い」という回答が90%との結果に。ミドル人材においては、転職回数が「3回」を超えると、転職回数を多いと感じる企業が多いようです。

採用企業が転職回数の多い方に対して懸念している点として、1位が「定着への不安」で80%、2位が「キャリアの一貫性への不安」で39%でした。「キャリアの一貫性がない方は単なる優柔不断な方が多い」との指摘も。

それでは、転職回数が多い方はどのような点を考慮すればいいのでしょうか。企業が転職回数の多い方を評価するポイントは、1位が「高い専門スキル:71%」、2位が「キャリアの一貫性:52%」、3位は「在籍した企業での実績:43%」。上記を満たした方は転職回数が多くても評価される傾向にあり、経営企画など、職種によっては、「ある程度広くさまざまな業界を経験してきた方が力を発揮できる」という意見もあるようです。

「転職回数については、納得感のある転職理由や自分が貢献できるポイント、幅の広い経験などを整理して伝える。」今回のアンケートでは、このようなポイントが転職回数の多い方にとって転職成功のカギであると示唆する結果になりました。

ミドル人材、若手人材について
本アンケートでは、ミドル人材は主に30代後半以上の転職希望者、若手人材はそれより下の年代を想定しています。

Q1転職を実現されたミドル人材のうち、転職回数が何回ぐらいの方が多いですか。

Q2ミドル人材の採用を検討する際、採用企業は何回目ぐらいから転職回数を気にする傾向にありますか。

Q3ミドル人材の採用を検討する際、採用企業が転職回数を気にする理由を教えてください。

Q4担当したミドル人材の求職者で、転職回数が多い人の転職成功実績はありますか。

Q5ミドル人材で転職回数が多い求職者のうち、どのようなポジションでの転職成功実績が多いですか。

主任・係長クラスと答えられた方の回答より
  • 募集枠自体が他ポジションより多いため。
  • 管理職クラスでは不安だが、このクラスでは様子を見やすい。
  • 採用していなかった時期の特定の人材層が不足している。
  • 現場の即戦力となる方が多いため。
  • 転職ごとに少しずつキャリアアップをしてきており、それなりに力があるが、年収が低めになっているため(企業が採用し易い)。
課長クラスと答えられた方の回答より
  • 求職者側が、過去の転職回数は多くとも、現職や前職でしっかりと勤務し、役職についてキャリアを築いているから。 求人側はリーダーシップを重視しており、定着より能力の高い人材を求めているから。
  • スペシャリストとしての能力+マネジメント力+受け入れ組織の人員構成にマッチする。
  • 即戦力を希望している企業であり、キャリアや実績を重要視しているため。
  • プレイングマネージャーとしてのポジションを求められる。
  • ある程度のマネジメントポジションが必要であるため。
部長・次長クラスと答えられた方の回答より
  • 転職者の方が持つ経験やクライアントが、採用企業として必要である際に転職回数が多い方でも採用しますが、どれほどのビジネスを持ってこれるのか、どれほどの特定スキル・経験が必要とされているポジションでジュニア経験者を指導できるかという観点から役職付きの採用が多くなる。
  • 転職回数は多くとも、一貫したキャリア・ストーリーがある方であれば、新しい事業展開や組織改革の起爆剤として活躍いただけると評価されたため。
  • 経験値としてストーリー性が一貫しており、実践において即応性があると見なされた点で評価された。
本部長・事業部長クラスと答えられた方の回答より
  • 責任者として期待する経験・実績を持った人材を採用するため。
  • 役職が高くなっている方は、転職が実績として認められるため。
  • 成果・実績を示し、ヘッドハントされる人材。
役職なしのスペシャリストと答えられた方の回答より
  • 専門的な知識や技能を持っている為、企業としては転職回数は気になるものの、良い人材を確保するために仕方がないと考えているから。
  • 技術・能力がしっかりしていれば転職可能。また、推薦時転職回数を気にしない企業に推薦する。
  • 専門職においてはある程度の幅の広さが要求され、転職歴がプラスに作用する場合もある。
  • 求める技術(スペシャリスト)が中々市場に出回らない。

Q6ミドル人材で転職回数が多い求職者のうち、どのような職種での転職成功実績が多いですか。

営業・マーケティング系と答えられた方の回答より
  • 新規事業の立ち上げや、業績向上対策の一環として、外部から専門性を持ったスペシャリストの採用を検討しています。特に、業績向上に直接反映する【営業・マーケティング系】の要望が多いです。
  • 業種を選ばない職種のため、転職にある程度寛容な見方が企業側にあるため。
  • 顧客を持っている(売上、企業マーケに直結する)。
経営・経営企画・事業企画系と答えられた方の回答より
  • 一担当ではなく、事業の要・起爆剤として採用される方が多いため、管理部門や事業企画関連が多くなるのではないでしょうか。
  • ある程度広くさまざまな業界を経験してきた方が経営・企画方面では力を発揮できると考えられる。
事務・管理系と答えられた方の回答より
  • 転職回数より保有資格・実務経験を重視するケースが多い。一貫したキャリア形成を行い、スキルアップしていれば転職回数より、経験重視の採用が行われている。
  • 業界問わず活躍できるため。特に経理や人事職など。
技術系(IT・Web・通信系)と答えられた方の回答より
  • IT業界は転職回数が多くなる傾向が強いと言えます。いずれの職種も、社内でのキャリアアップよりも転職してキャリアアップを果たすケースが多く見られます。
  • 技術職なので、スキルを持っていればさほど転職回数は気にしない。
技術系(建築・設備・土木・プラント)と答えられた方の回答より
  • 技術者の場合は、経験・資格で判断されることが多く、ベテランの方であれば転職回数はあまり問われない。
  • 技術系(建築)では実績が判断しやすい。
技術系(機械・メカトロ・自動車)と答えられた方の回答より
  • 技術者人材不足、営業の場合は業界・扱い製品などの専門性があれば応募は可能であるため。
技術系(電気・電子・半導体)と答えられた方の回答より
  • 特殊な知識や技能を習得しており、会社にとって有益な人材と判断されたため。
技術系(化学・素材・食品)と答えられた方の回答より
  • 転職の理由さえ明確であれば、転職回数の多さは、様々な企業での経験の多さと前向きに捉えて頂ける事が有る為。
コンサルタント系と答えられた方の回答より
  • 専門性と年齢相応のマネジメント経験、ビジネスディベロップメント経験があれば、転職回数に対する懸念を払拭できるケースが多い。
技術・専門職系(メディカル)と答えられた方の回答より
  • 転職回数が多くてもキャリアにブレがなければ、企業側はむしろ「経験が豊富」という見方をする場合もあるから。

Q7ミドル人材で転職回数が多い求職者を選考する際、採用企業はどのような点を評価しますか。

その他の回答
  • バランス感覚。
  • 資格。
  • 英語力。
高い専門スキルと答えられた方の回答より
  • 転職回数を積み重ねたことにより蓄積されたスキル・ノウハウがどの程度あるか、採用側で如何に求める能力やノウハウを活かせるかが重要視されている印象です。ただ採用側が分担作業になっている大手企業の場合、転職回数は採用条件で有り、最初から線を引かれる場合もあるため容易ではありません。
  • ミドル層に於いては、即戦力である事は言うまでもなく、その方の実力(自社社員にない能力や経験)を評価して採用するかどうか判断する為、高い専門スキルが重要になると考えています。
  • ミドル層の採用においては、まず、第一に即戦力性が重視される。最終的に、複数の候補者との比較の中で、定着性がネックになるが…。書類応募段階で、人気の企業は、転職回数=定着性の問題で、書類足切りされる可能性が高まる。
  • ミドル層はある程度キャリアやスキルを厳しく見てきますので、それに応じたキャリア実績を持っている方は、転職回数は気にしない。またそれに面談でどうアプローチするか等も評価対象になってくる。
キャリアの一貫性と答えられた方の回答より
  • 転職回数が多くとも、キャリアの一貫性があり、高い専門スキルを身に付けて発揮できていれば、マイナスにはならない。スペシャリストとして評価される。
  • キャリアの一貫性があることで、複数社での経験を幅広い知識と捉えてもらうことができ、強みに変えられる。
  • 転職回数が多くとも、キャリアに一貫性があり専門知識を有していれば採用のラインに乗るため。
  • キャリアの一貫性がない方は単なる優柔不断な方が多いから。
在籍した企業での実績と答えられた方の回答より
  • 採用企業の従業員にはない実績・経験を重視する。他社での実績を、どのように構築したかの背景を重視。
  • 転職者が持っている経験・スキルが採用企業にどれほど貢献できるかがポイントであり、また即戦力なので自社のカルチャーへのフィット感など環境への対応力を求める。
  • ミドル層を採用する場合、多くの企業はそのポジションで、いかに即戦力として貢献できるかを求められるため。
  • 転職が多いとスキルが問題になるが、同職種の転職で、実績を残していれば、それなりに評価される。
転職理由と答えられた方の回答より
  • キャリアUPのために、転職せざるを得ない理由がないのなら、ストレス耐性や能力に疑問を持たざるを得ないから。
  • 転職をせざるを得ない理由であれば良い。例えば、勤務地にこだわりがある、会社倒産、家族都合など。
  • 転職回数が多くても、キャリアが一貫して高い専門性があり、尚且つ転職理由が整然としていれば良い。
  • 転職理由に説得力があることと、必ずやるべきミッションは果たしていることが実証されていること。
管理職の経験と答えられた方の回答より
  • 管理職クラスで転職する人が多いので、本人のスぺシャル部分のリーダーシップ、ピープル管理とその育成する環境創りが大事で、いろんな人間とのコミュニケーションが必要な際に理解納得させる力があると組織の目標は達成可能になるから。
  • 社内に乏しいヒューマンリソースを外部に求めると、高い専門性や、管理職として能力が高いことが求められます。
  • マネジメント経験が無いミドルは能力が低いとみる傾向がある。マネジメントを求めているから。

Q8ミドル人材で転職回数が多い求職者に対して、アドバイスがありましたら教えてください。

  • キャリアの一貫性が一番重要であろうかと思いますし、採用側への信頼・信用が大事です。また経営側に近い立場であれば、如何に経営側の意向を理解し、その上での(転職に至る)決断であったか、そういったマネジメント側の納得性が重要であり、自分本位の転職で無いことを丁寧に説明する必要が有るかと思います。若年層であればキャリアアップでの転職は、ある意味許されるものと私は考えます。但し、管理職クラスの人材であれば、会社側の考えも重視した説明が大事ではないかと考えます。
  • (1)専門性の一貫性を求めます。(2)【職務経験】の中で、「得意とする専門性(自己PR)」を作成する必要があります。(3)できれば、上記(2)は、汎用版と応募する企業ごとに作成する必要があります。ご自分の「得意とする専門性(自己PR)」作成には、コンサルタントのアドバイスも参考にすると良いと存じます。
  • (1)採用企業としては、自分の会社がキャリアアップの踏み台とされたくないので、「キャリアアップ」「スキルアップ」という言葉はなるべく使わない方がベター。(2)最終的に「何をしたいのか」「どうなりたいのか」を明確にして、応募する会社で実現する覚悟をもって臨んでもらいたい。
  • 高い専門スキルとノウハウの伝授を武器にして、転職回数を重ねたとしても、企業は、決してマイナスには受け取らないで、スペシャリストとして欲しがる場合のほうが多い。理由は、高い経験値は、なかなか簡単に身に付くものではないから。
  • 業界によると思うが、建築業界など人材需要がひっ迫している業界では、転職回数よりも経験・実績を重視する傾向がある。短期間での転職を繰り返すことは論外だが、1社で軸となる経験があればある程度は許容される。
  • 「キャリアの一貫性」を意識して、自身の目標に対してきちんとストーリー立てた話をできるよう棚卸をする(転職回数の多いミドル層ほど、面接は出たとこ勝負のような方が多い)。
  • 転職回数よりもいかに世の中についての洞察力を磨くか、好奇心を持って前向きに取り組んでいくか、社会貢献への強い意志を持ち続けていくかといったことが、大切です。
  • 転職をしたらより良い環境になる、という期待感を捨てて欲しい。自分がこの組織を変える、という強い気持ちを持って面接に臨んで欲しいと思います。
  • 転職回数は気にしても仕方がないので、納得感のある転職理由や自分が貢献できるポイント、幅の広い経験など、プラス要素を強調することに注力する。
  • キャリアの一貫性(どれだけ深掘りできていたか)と明瞭な転職理由を開示して、かつ新しい環境への適応力をアピールできたら良いと思います。
  • 残念な退職理由があっても前向きに次職で挽回しようとする気概は大切。退職理由は、職務経歴書に箇条書き1~2行に整理し書き込むこと。
  • 自身の転職のニーズ、自身のキャリアデザイン、数年先を考えているかどうかを問いましょう。仕事の価値観を再度確認して、慎重に。
  • 誰もが納得のいく人生のストーリーを描き、伝えることです。それが波乱万丈であったとしても、その芯が揺るがなければいいと思います。
  • 転職理由を明確にし、改めるべき点があれば、その点をどのように改めるかを伝えることができること。すべて前職の問題にしないこと。
  • 転職理由を明確にして欲しい。特に、直近での転職理由(1年以内での転職理由)は、具体的に説明できることが必要です。
  • なぜ転職をする結果となったかを、正々堂々と話せるかが、評価されるポイントとなる(転職回数が多くても納得される)。
  • 自身の経験・専門性の強みを案件ごとに整理すること。転職理由を十分検討し、応募段階で応募企業に提示すること。
  • 自分のキャリアプランを確立し、それに沿った転職であることを、ストーリー性を持って説明すること。
  • かなり高度な専門性を要求されます。リスクを超えるスキルのアピール力を磨いてください。
  • 転職回数よりも、職務の一貫性を重視する企業もある。外資は回数はあまり問題視しない。
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